深泥池 京都の有名心霊スポット

 気が小さいので

ほんとは、あまり気が進まないのですよ。深泥池(みどろがいけ)は京都でも屈指の心霊スポットで、戦前からいろいろな噂がささやかれているところです。

特に、タクシーにまつわる幽霊の話が一番多く(複数ある)、夜にはとっても行けません。

で、朝早くに行きました。でも、幽霊の話と同じように、しょぼしょぼと雨が降ってたんですよ。

 京都の北のはずれ

深泥池は、北山通りのにぎやかな界隈から数百メートル北の方にあります。この先の山を越すと岩倉です。朝なので、人っ子一人いません。時々車が通ります。寂しいです。

深泥池 No2

深泥池の西の端の方です。宝ヶ池や岩倉の方に抜ける道のわきなので、平日の昼間は自動車の交通量がけっこう多いところです。このあたりの池は、土が堆積していて葦が生えています。でも、上に乗ったら、ズブズブと入ってしまいそうで、おっかないです。

深泥池 No3

東の方向を望むと、なんか「出そう」な雰囲気プンプンです。やっぱり夜は近寄りたくないなぁ。でも、今写真を撮っているすぐ後ろには、民家がぽつぽつと建っているんですよ。住んでる人には申し訳ないけど、私はご勘弁願いたいです。

上の画像の正面から左の方の植物群が「浮島」です。

 天然記念物

庶民は「心霊スポット」としかとらえてませんが、実は「天然記念物」であって、業界の方々からすると、とっても貴重な池なのだそうです。なんと、天然記念物に指定されたのは「昭和2年」です。そして、深泥池ができたのはこれまた驚きの約14万年前。平安京がどうとかこうとかというスケールではないですね。

ここには西日本の平坦地では珍しい「浮島」があります。また,氷河期以来の動植物が今も生き続けるとともに多くの水生植物,昆虫,魚類,野鳥等がいます。

深泥池の特徴の一つの「浮島」ですが、これは池の中央に広がり,池全体の1/3の面積を占めています。「浮島」とは、水草などの植物の遺骸が積み重なり泥炭化して、水面に浮いているものを言います。この浮島の下には水の層があって浮いていることが確認されています。

深泥池 No4

深泥池 No5

道の端に、石碑や案内が建てられています。池だけではなく、生物を含めた「環境」が天然記念物として認定されています。

 深泥池 心霊伝説

さて、伝説と言うほどではありませんが。心霊のお話をしないわけにはいけませんね。

しょぼしょぼと雨が降る夜、あるタクシーの運転手が一人の若い女性を拾った。長い黒髪の女性だった。

行き先を尋ねると、女性は顔を下に向けたまま「深泥池まで…」とか細い声で言う。

運転手は不思議に思った。「こんな深夜に深泥池に行くなんて、何の用なんやろか。」深泥池まで来た時に、ふとバックミラー越しに後ろを覗いた運転手は、ぎくっとした。バックミラーには女性の姿が映っていない! びっくりしてタクシーを急停車させ、後部座席を振り返ると、誰もいないシートが、ぐっしょりと濡れており、女性の長い髪の毛が落ちている。

「こ、これはえらいこっちゃ。」運転手は「客の女性がいなくなってしまった。車から落としてしまった!」と、真っ青になって近くの交番に駆け込んだ。だが、運転手が言う深泥池の現場へ駆けつけて捜索してみたものの、女性の痕跡や目撃者はなかったそうである。

とまあ、どこにでもありそうな話なんですが、連日マスコミが駆けつけるようなことになったこともありました。

昔から、入水自殺の多い場所で、そのことも心霊伝説に影響しているのかもしれません。入水者の霊に足を引っ張られるという言い伝えもあります。

深泥池 No6

少し南の方から北東方面を見ています。山合の池ですね。「深泥」という名前の通り、泥が堆積していて、足を取られると自力では上がってこられないと言います。

その割には、柵もないし、入ろうと思えば入れてしまうのですが…

深泥池 No7

南の岸は整備されてて、池のふちまで近寄れますが、足を引っ張られそうで、小心者の私は、道から中の緑地に入れません。

深泥池 No8

きれいな案内板が設置されています。

深泥池 No9

う~ん、やっぱり出ますよ、ここは。

深泥池 No10

池の南の配水口です。

深泥池 No11

池の水は少しずつ下流へ流れています。深泥池には川は流れこんでいないので、周りの山々から滲みだしている水なんでしょうね。

深泥池 No12

山合の少し大きな池、という感じですが、14万年前からずっとここにあって、変わることなく存在し続けている貴重な池です。

心霊スポットとして有名なところですが、「天然記念物」という観点から訪れてみてください。南岸から見ると結構きれいな景色ですよ。

家に帰ってから、深泥池のことを少し調べましたが、幽霊タクシーの話は「朝日新聞 昭和44年(1969年)10月7日付」に載っていると、Wikipediaにありました。私が今回訪れたのも10月7日と、なんか因縁を感じます。霊に好かれてしまったのでしょうか。これはもう、どっかの神社にお祓いに行かなくては。

アクセス

  • 京都バス「深泥池」下車、徒歩2分
  • 京都市営地下鉄「北山」下車、徒歩8分

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