千歳車塚古墳 被葬者は誰か?

古代のロマンあふれる千歳町

先日、京都府亀岡市内に用事があってウロウロしました。その時に寄ってきたところを紹介します。

まずは、亀岡市千歳町にある「千歳車塚古墳」です。「千歳町」は「出雲大神宮」があることで有名です。「千歳車塚古墳」も「出雲大神宮」のすぐ近くです。

形状は「前方後円墳」で国の史跡に指定されています。

6世紀前半(古墳時代後期の前半にあたる)の築造と推定されていて、「古墳時代後期」としては丹波地方で最大規模の古墳でだそうです。

まず行ってみましょうか。

車塚古墳 No2

「出雲大神宮」沿いの道から見た「千歳車塚古墳」です。「出雲大神宮」が山裾の少し小高い場所にあるので、見下ろすような感じです。田んぼの真ん中に突如ポツっと飛び出した感じですね。

車塚古墳 No3

田んぼの高さまで下りてきました。稲穂が実ってきており絵になる風景です。

車塚古墳 No4

近づくと、思っていたより高さがあります。

車塚古墳 No5

「千歳車塚古墳」の全景です。写真の右側が「前方」で左側が「後円」にあたります。

車塚古墳 No6

北側から撮りました。「前方」の西の端の角です。

車塚古墳 No7

後世、周囲が削られたそうで、もともとはもう少し裾が広がっていたようです。

車塚古墳 No8

「千歳車塚古墳」の説明版です。

車塚古墳 No9

その横に石票があるのですが、草ぼうぼうで下の方は見えません。

車塚古墳 No15

GoogleMapから借りてきました。少し調べてみますと、墳形は「片直角型」といわれる形で、墳丘主軸線と前方部前端が直交しない、左右非対称のいびつな形の前方後円形です。

加えて「周濠」も後円部の同心円ではなく、「周濠」の片側側線と前方部正面線が直交する左右非対称形です。上の画像では、墳丘の周りだけが「周濠」として残っていますが、築造時には左部に映っている建物の建っている灰色部分までが「周濠」だったんですね。完全に左方向に飛び出た形です。60°ぐらいの角度でしょうか。それに比べて、写真の右側はほぼ直角になっていますね。

この「片直角型」は当時の「旧勢力」の首長墓に多く見られる特徴です。

車塚古墳 No10

墳丘推定線に沿って周濠を歩いてみます。

車塚古墳 No11

墳丘を見上げると、夏なので草が生い茂っています。春先には野焼きをしているそうです。そのあとには古墳の上に登れるようです。

車塚古墳 No12

現在の周濠の外縁部には「史跡境界線」の石票が立ってます。

車塚古墳 No13

「後円部」です。このあたりから出土した「円筒埴輪」により、古墳時代後期の6世紀前半頃の築造と推定されています。築造当時としては丹波地方では最大規模で、近畿地方でも屈指の規模になる前方後円墳です。出土した「円筒埴輪」は、土の分析によって「新池遺跡(大阪府高槻市)」で生産された埴輪であると推定されました。

このことは「新勢力」であるヤマト王権と被葬者との親密な関係性を示し、墳形の相違「片直角型」とは異なります。

車塚古墳 No14

さて、当時は丹波地方最大の古墳であった「千歳車塚古墳」ですが、いったい誰が埋葬されているのでしょうか。周囲は調査されたのですが、主体部となる「埋葬施設(内部施設)」は未調査で、どのようになっているのか明らかではありません。

「ヤマト王権」なのか「旧勢力」なのか、諸説がありますが、「倭彦王(やまとひこのおおきみ:第14代仲哀天皇の5世孫)」の墓とする説が有力です。

この倭彦王は6世紀初めに「武烈天皇(第25代)」が後嗣なく崩御した際に、「男大迹王(をほどのおおきみ:後の第26代継体天皇)」とともに皇位継承の候補者に挙げられていたのですが、皇位につくことはなかった人です。しかし、この「倭彦王」自体は、実在性の薄い「仲哀天皇」の末裔であり、かつ、その名前も「ヤマトヒコ」という古代では普通名詞であることから伝承性の強い人物であると言われています。

「倭彦王」に限らず、この時期としては「千歳車塚古墳」が近畿地方屈指の規模であることを考えると、そのモデルとなる皇位継承の候補者が「桑田」地域にいた可能性は高いと考えられています。

「倭彦王」の説とは別に、「日本書紀」では仁徳天皇(第16代)16年に「桑田玖賀媛(くわたのくがひめ)」が故郷の「桑田」に帰る途中で死去し、この地に「玖賀媛」の墓があると記されています。「千歳車塚古墳」の築造年代とは隔たりが大きいのですが、本来の被葬者が誰かわからなくなったのちに「玖賀媛」の墓が本古墳に移された可能性もあるそうです。

「千歳町」は「千歳車塚古墳」をはじめ、「出雲大神宮」や「丹波国分寺跡」など古代の史跡がいろいろと残っていて、わくわくする地域です。当時は丹波の国の中心地だったことと考えられています。一度このあたりを散策してみてはいかがでしょうか。

アクセス

  • 京都縦貫道「千代川IC」より、車で15分

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