道祖神社(南区) 松尾大社境外末社

いにしえの街道

昨日に引き続き、今日も「道祖神社」です。同じ「道祖神社」でも、今回は南区唐橋の「道祖神社」です。

「道祖神社」や「道祖神」はあちこちにありますね。昨日も書きましたが、村の出入り口にあたる街道筋や村の辻に祀られていて、邪悪なものが村の中に入らないように守ってもらうというのが、最初の信仰でした。そこから旅の神様、道中の安全祈願や「賽の神」と呼ばれるようになります。「さいのかみ」が「幸の神」と取られたり、多くが男女二体の神様を祭っていることから、縁結び、夫婦和合、子孫繁栄と多彩な民間信仰が生まれます。

今回の「道祖神社」は南区唐橋平垣町というところにあり、御前通りに面していますので、東や北の方からやってくる人が多いと思いますが、私は西の西大路通りから歩いていきます。

こいつ、ほんまに変わりモンやなぁ、と思われるでしょうけど、まぁ、その通りなので文句も言えません。

道祖神社_南区 No2

ここは西大路通りの八条から少し南にある「JR東海道本線」や「JR東海道新幹線」が通っているところです。ちょっと陰になっていて見にくいのですが、この道のどん突きのところは西大路通りが左右方向に走っていて、道から高くなっている部分は、西大路通りを渡る歩道橋になっています。(西方向を見ています。)

道祖神社_南区 No3

反対側を見ると、JR東海道新幹線の高架が続いています。あんまり車が通らないところで、小さな町工場やアパート、昔からの住宅などが立ち並ぶ、町のはずれといった印象です。

道祖神社_南区 No4

この辺りは昔「唐橋村」と呼ばれていた場所で、こんな古い土蔵が残っていたりします。

道祖神社_南区 No5

途中で新幹線の高架橋の道から外れて細い道(西門通り)を歩くと、正面に「御前通り」が走っています。目的地はすぐそこです。(右の角です。)

道祖神社_南区 No6

到着しました、唐橋の「道祖神社」です。正面から着たらいいのに、わざわざ写真右手の細い道からやってくる私。

道祖神社_南区 No8

ほんでまた、わざわざ道を渡って写真を撮る私。近くを通る人は「なにやってんのや、このおっさんは。」という視線を向けてきますが、私には「道祖神社」しか目に入ってません。上の画像で、細い道の右手に見えている大きなお寺は現在の「西寺」です。もう少し東へ行くと「西寺跡」もあります。

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平安京の時代には、都の南の出入り口の近くなので、浪速(大阪)や平城(奈良)へ向かう人々の交通の要所でもあったのでしょう。羅城門も近くです。

道祖神社_南区 No7

神社の前に案内書きがありました。

道祖神社について

御祭神 : 天宇受売命(あまのうずめのみこと)
鎮座地 : 京都市南区唐橋平垣町
道祖神とは、旅の道標、安全祈願の社、庚申さんの身代わり。

天正元年(1573)の創祀。山城国葛野郡唐橋村の鎮守の宮として祀られました。
明治10年ごろに松尾大社の末社になったと思われますが、社殿の創建は
江戸時代と伝わるが詳細は不明。御神体は石が二つと言い伝えられます。
11月の中ごろには松尾大社より神官を招いてのお火焚祭の祈祷が執り行われます。
同時に交通安全祈願、七五三詣りも行われる。
唐橋地区の氏神としての篤い信仰を集めるお社である。

道祖神の名のとおり、道を守る=道中安全、村や町に邪気や悪霊が入るのを防ぐ、
男女一対の形から、夫婦円満、子孫繁栄、縁結びなど、ご利益は多彩です。
ときには道祖神そのものが悪霊だと考えられる例もあります。
天孫降臨の際に出会った天宇受売命と猿田彦神はこれが縁となって結婚します。
これは日本で初めての国際結婚だと言われています。
そして二人は一緒になって道祖神になったと言われています。
道祖神は、またの名を賽の神(さいのかみ)とも言い、
一般に村のはずれに鎮座し、外部から悪い霊が村に侵入するのを防いでいます。
この神は天宇受売命・猿田彦神とが結びついていない場合でもしばしば
男女の神であるようで、(伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と
伊邪那美(いざなみのみこと)という説もある)、その言われは
男女の仲の良い神様が守ってくれていると、そこを通り抜けようとした霊は
「邪魔をするな」とばかりに突き飛ばされるからだとされます。
男女の神であるが故に、道祖神は安産と子供の守り神ともされました。
ここから道祖神と地蔵との混合も生じています。
天宇受売命・猿田彦神が道祖神であるとされた理由は、猿田彦神が天孫降臨の際に、
天と地の境目で一行を待っていたためであると言われています。
さらのこの二人は天宇受売命がお多福に猿田彦神が天狗になったという説も
あります。道祖神は一方、庚申待ち・庚申講とも結びつけられました。
ここで猿田彦神が出てくるのは、申=猿の連想によるものである。
また地域によっては猿田彦神の代わりに青面金剛(しょうめんこんごう)を
祀るケースもあります。

道祖神社_南区 No9

では早速お詣りさせていただきましょう。

道祖神社_南区 No10

「道祖神」の神額です。

道祖神社_南区 No11

お社です。御神灯に「松尾皇大神宮」とあります。案内書きにもありましたが、以前「唐橋村」の官吏であったのですが、現在は「松尾大社」の境外末社になっています。

「松尾大社」の「おいで(神幸祭)」では、当日の出立ちとして、氏子区域内で「鐶(かん)鳴らし」を行いながら道祖神社へと向かい、担ぎ手が集合する伝統があります。

道祖神社_南区 No12

きれいに磨かれていますね。

道祖神社_南区 No13

このなかに石の御神体が二体いらっしゃるんですね。

道祖神社_南区 No14

周り一周、御神灯で囲まれています。

このあたりは京都観光とはあまり縁のない地域ですが、西寺跡や羅城門跡など平安宮に関する史跡や神社仏閣などがたくさんあります。ぜひとも唐橋の「道祖神社」にもお詣りしてください。

アクセス

  • 京都市バス「西寺前」下車、徒歩2分

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