番外編 天社土御門神道 ガイドブックに載らない福井

天社土御門神道本庁

番外編として京都から離れて、福井のパワースポットを紹介します。

なぜ、わざわざ福井県を取り上げたのか?

京都の隠れた観光名所や穴場を紹介してますが、今回は安倍晴明つながりで福井県の「天社土御門神道本庁」をご紹介します。

近年、京都のパワースポットとして多くの観光客が訪れる晴明神社。映画「陰陽師」が封切られたころから、晴明神社の人気はうなぎのぼりに上昇しています。観光客の多いこと。修学旅行生にも人気です。

晴明神社もパワースポットですが、晴明の末裔の住む天社土御門神道本庁も脈々と受け継がれる陰陽道のパワーが感じられます。

安倍晴明後の陰陽道

安倍氏の嫡流が、後に天皇より「土御門(つちみかど)」と言う称号を賜い、土御門家が始まります。室町時代から戦国時代には、応仁の乱などの都の戦乱を避け、所領のあった若狭国に移住しました。徳川幕府の時代には綱吉によって認められ、土御門家は全国の陰陽師の統括と、造暦の権利を掌握します。

陰陽道は幕末までには全国に広まりましたが、明治政府は陰陽寮を廃止し、天文学・暦学の事は、大学寮の管轄にしてしまいます。 それによって陰陽師の身分もなくなり、陰陽師は転職するか、独自の宗教活動をするようになりました。陰陽道は民間の習俗や信仰と習合しながら生活に溶け込んでいきます。

土御門神道は現代にまで続く陰陽道で、かつての土御門家の領地であった福井県おおい町(名田庄村)に日本一社陰陽道宗家「天社土御門神道本庁」を置いてます。

名田庄村 (福井県大飯郡おおい町名田庄)

私の世代は「名田庄村(なたしょうむら)」と呼ぶ方が親しみがあります。昔は「星のふる里」と呼ばれて、夜空の星がとてもきれいなことを売りにしていました。

現在は、暦と陰陽道を売り出しています。

名田庄納田終 陰陽道と暦

福井県大飯郡おおい町名田庄納田終(なたしょうのたおい)にきました。国道162号線沿いの小さな集落です。京都からくると、堀越峠のトンネルを超えて、峠の下の道の駅名田庄からすぐです。道の右側に、すぐ上の画像の看板が見えますのでわかると思います。

この少し手前で左に折れると駐車場もありますが、この駐車場は、初回に訪れた時にはわかりづらいかもしれません。私は右手にある加茂神社の大杉の駐車場に車を止めました。

天社宮

国道162号線の左手、集落のある山の方へ歩きます。すぐに天社宮の鳥居が見えます。

天社土御門神道 天社宮鳥居No1

土御門総社と書かれています。すぐこの上です。

天社土御門神道 天社宮鳥居No2

見えてきました。雨上がりでしっとりとした道を歩きます。

天社土御門神道 天壇No1

境内に入って一番に目につくのが「天壇」です。

天社土御門神道 天壇No2

「朱雀神」「青龍神」「白虎神」「玄武神」の四つの鳥居に守られています。パワースポットなどと言うなまやさしい言葉では言い表せない神域です。

天社土御門神道 青龍神

とっても美しい青です。今回は天壇を見られただけでも幸せです。
天社宮でお詣りをしてさらに土御門家に迫ります。

土御門家墓所

集落の奥の方にフェンスがあり動物が降りてこないようにしているところがあるのですが、そこから山手へ少し上がったところに土御門家の墓所があります。

天社土御門神道 土御門家墓所No1

小川沿いのなだらかな道を歩きます。

天社土御門神道 土御門家墓所No2

山の方に続く橋があるのですが、そちらにはいきません。目的地はここです。

天社土御門神道 土御門家墓所No3

土御門家、第三十一代安倍有宣卿・第三十二代安倍有春卿・第三十三代安倍有脩卿の墓所です。

天社土御門神道 土御門家墓所No4

ひっそりとした山の中で、現代社会の行く末を見つめているようです。

加茂神社

車を止めた国道162号線沿いに、加茂神社の大杉と案内の札がありました。とても立派な杉の木の加茂神社にもお詣りしました。集落の入り口にあります。地形から考えると、もともと加茂神社の広い境内であったところを国道162号線が横切ったのではないかと思われます。

天社土御門神道 加茂神社No1

境内の一番奥、神社の本殿に続く長い階段です。苔むしており、雨上がりの湿り具合がとてもよかったです。

天社土御門神道 加茂神社No2

集落を見下ろす立派な神社です。

天社土御門神道 加茂神社No3

本殿の前から下の集落を見るとこんな感じです。

お願い

天社土御門神道に関する史跡などを見てきましたが、あくまでも見学させていただいているという気持ちを忘れないようにお願いします。ここは観光地ではありませんし、天社土御門神道は地域の生活に根差した宗教です。安倍晴明の土御門家を静かに思いながらお参りしてください。

私は1月の日曜日の2時ごろからお参りしましたが、車を降りてから帰るまでの間にだれ一人の人間とも会いませんでした。冬であることを差し引いてもとても静かなところです。気の弱い人は一人で訪れない方が良いかもしれません。

アクセス

  •  京都駅から自動車で  国道162号線を福井方面に走行する
    1 時間 51 分(72.3 km)

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