御髪神社 「床屋」の由来知ってますか?

 日本で唯一の髪の毛の神社

昔、TVのCMで「抜け始めてわかる 髪は長~い友達。」というのがありましたが、男性の多くは、年齢とともに気になってくると思います。男性に限らず女性でも気になるもの。加齢とともに薄くなるのは仕方のないことなのですけどね。

そこで、加齢にちょっとでも打ち勝てるように、「御髪神社」に参詣して、そのご利益にあずかってきました。

嵯峨嵐山の西のはずれ

というとちょっとへき地っぽい感じがしますが、竹林の小径からすぐのところです。ここから西は山々が連なりますし、JR嵯峨野線もトンネルに入ります。有名な小倉山のふもとですよ。

御髪神社 No1

私は天龍寺の北側の小道を長辻通りから西に歩きました。

御髪神社 No2

竹林の小径を通ります。道は勝手に右折しますが、そこからすぐの野宮神社の手前を左へ曲がり、一番奥のどん突きまで来たら右に曲がります。JR嵯峨野線のトンネル入り口の上を超えて「御髪神社」に着きます。

御髪神社 No3

JR嵯峨野線のトンネル上から列車を撮っていますが、全然わかりませんね。

御髪神社 No7

JRを越すと、小倉池の前に出ますが、この左手が「御髪神社」です。

御髪神社 No6

御髪神社 No4

御髪神社 No5

髪の毛が安泰になるご利益ばかりが取り上げられますが、理美容業界の守り神であり、理容、美容の腕が上がるようにお詣りする方もたくさんいらっしゃいます。

境内

境内にも由緒書きがあります。

御髪神社 No8

ご祭神は「藤原采女亮政之(ふじわらうねめのすけまさゆき)」で実在した人物です。

さて「床屋」の由来ですが...

藤原采女亮政之は藤原鎌足の子孫である、藤原晴基の三男で京都生まれです。亀山天皇の時代、京都御所の警備役だった晴基が宝刀の「九王丸」を紛失してしまい、責任をとって浪人となり諸国行脚の旅に出ます。晴基の長男元勝(反物商)と次男元春(染物師)は京にとどまり宝刀を探しますが、采女亮は探索のため旅に出る晴基に同行しました。
当時、日本は蒙古(もうこ)軍の襲来に備えて、朝鮮半島に近い下関に大勢の武士を配置していました。紛失した宝刀が見つかるかもしれないと思い、文永5年(1268年)、晴基親子はこの地に居を構えます。
宝刀を捜し続ける一方、髪結職で高い収入を上げていた新羅人に親子で学び亀山八幡宮裏の中之町に武士や婦女らを相手にした髪結所を開きます。これが日本最初の理容業だといわれています。

この店には床の間があり亀山天皇を祀る立派な祭壇と藤原家の掛け軸があったことから「床屋」と呼ばれるようになったといわれます。ここから「床屋」が各地に広まり、これが現代でも散髪屋さんが「床屋」と呼ばれる由縁だそうです。

弘安元年(1278年)、晴基は宝刀を見つけられないまま亡くなりますが、政之はその腕前の良さが幕府にも伝わり、父の死後鎌倉に移り住み、建武2年(1335年)に亡くなるまで幕府御用達の髪結師となってたいへん重用されたといわれています。

「九王丸」はどこへ行ったのでしょうか...とても気になります。

下関市にある亀山八幡宮の正面大鳥居右側に「床屋発祥の地」記念碑があります。

御髪神社 全景

本殿に詣でましょう。山の斜面に近いところにあります。

御髪神社 手水鉢

手前にかわいい手水鉢がありますので、お見落としなく。

御髪神社 鳥居

宮司さんが朝の掃除をされていました。

御髪神社 神額

御髪神社 紋章

立派な紋章ですね。

御髪神社 本殿No1

まずは本殿にお参りします。

御髪神社 本殿No2

本殿の横には毘沙門天の像があります。

御髪神社 御髪神

最初は「御髪神」かと思いましたが、毘沙門天だそうです。

御髪神社 髪塚

髪塚にもお詣りします。

髪塚は、願い事をしながら切った髪の毛を奉納するとご利益があるといわれ、献納された髪の毛は神官によって祈拝が行われます。また、毎年4月17日に春の大祭、11月17日に秋の大祭を執り行い、髪の毛への感謝の意をこめて業祖神奉祭(ぎょうそしんほうさい)と髪供養が行われます。その日は、理美容業界のみならず髪へのご利益を求める多くの人々が参詣されます。

御髪神社 石碑

「御髪神社 ひっそりと 山眠りけり」と歌碑があります。

御髪神社 絵馬No2

たくさんの奉納された絵馬です。

御髪神社 絵馬No3

つげ櫛をかたどった絵馬です。長い黒髪は良いですね。

髪の毛だけで、その人の印象ってガラッと変わりますよね。身だしなみも当然ですが、整容にも気を使いたいと改めて思いました。小倉池畔の静かな御髪神社に参詣されて、髪の毛のご利益にあずかってください。

今、悩まれている方の髪の毛がフサフサとなりますように。

アクセス

  • 京都市バス「嵐山天竜自前」下車、徒歩10分
  • JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」下車、徒歩15分