久々の一泊旅行だぞっ!
今年の春に、インターネットでふと見つけた一枚の写真が気に入って、自分もそこで写真を撮ってみたいという思いから、愛知県西尾市一色町の「佐久島」へ行ってきました。
佐久島は三河湾に浮かぶ離島です。全域が三河湾国定公園に含まれます。面積は 1.81 km²と歩いて回れる広さです。日帰りの人は島内をレンタサイクルで回ることが多いようですが、私は一泊するのでゆっくりと歩いて、島の生活を拝見しました。
渡航には一色港からフェリーを使います。一日に7往復の便があるのでそんなに困ることはないと思います。自動車では渡れませんので、車で来られた方は一色港の無料駐車場(1,000台ほど止められるスパースがあります。)にとめておきます。
一色港のフェリー乗り場の横には「おさかな広場」があって、新鮮な魚介類が販売されているので、帰りに買って帰るといいですね。
なんせ仕事柄、平日に休みを取ることが難しく、半年に一回ぐらいしか取れません。土日は融通が利くのですが、家の用事やなんやで旅行なんて行けるわけもなく。
そんなこんなで、やっと取れた平日休み、天気は快晴でテンション高いです。明日は雨であさっては台風らしいですが、さてどうなることやら。
フェリー乗り場です。名鉄バスの路線があります。
フェリーの「はまかぜ」です。最近のフェリーはスピードが出て早いですね。あっという間の20分ほどでついてしまいます。では出航。
すぐに佐久島に近づきました。静かな海だったので揺れもほぼありません。
東港の港内に入ってきました。「イーストハウス」(アートオブジェ)が見えてます。
接岸間近に撮った東港です。
佐久島上陸
フェリーから上陸して、一番に目に入ったのがこの看板。
「日本で一つだけの…」 こ、これは、行かねばならん。それも「恋に効く⁈」と。
前情報でインターネットを調べているときにはこれは知りませんでした。
島のあちこちにこの「佐久島お散歩案内図」があります。
今夜お世話になる、東港の近くの民宿「ちどり」さんに、荷物を預けて身軽になりました。カメラと三脚だけで歩き回ります。
まずは、さっきの看板の「紫の砂浜」新谷(にいや)海岸へ行きましょう。また東港まで戻り、東港を行き過ぎてどんどん島の南東端まで歩きます。
東港から5分も歩くと弁天島と新谷海岸の分かれ道に出ます。
そこからは、南洋風の木々もあり小径をしばらく歩いて行きます。
5分程度で新谷海岸に出ます。誰もいません。貸し切り状態です。
上の写真ではわかりにくいのですが…
海岸が、薄い紫色なんですね。ロマンチックな色です。
紫色の貝殻がたくさん含まれているので、砂浜が紫色に見えるんです。
もう、ここに来るだけでテンション上がりまくりです。
アートに出会う
佐久島では「三河・佐久島アートプラン21」と題して、年数回現代美術のアーティストによる展覧会やワークショップ開催されています。過去のアートプロジェクトの成果として、島内で常設展示作品を鑑賞、体験することができます。「佐久島アートピクニック」というスタンプラリーもありますので、順番に島内をめぐっても面白いです。
先ほどの「紫の砂浜」から戻ってきて、東港を通り過ぎるとすぐに「イーストハウス」というアートオブジェが、大島に向かう桟橋の途中にあります。
アートオブジェなどには、上の画像のように案内板があるのでよくわかります。
桟橋の途中に、全長60mの長いベンチと東屋です。
シンプルなつくりと、バランスが素敵です。
とても長いです。
上から見下ろしてみました。
上に上ると展望が気持ちいいです。
大島
桟橋の先の大島です。「海釣りセンター」というところがあって、魚がよく釣れるようです。フェリーにも釣り目的の方が何人かいらっしゃいました。
公園のようになっていて、アートオブジェがあちこちにあります。
のどかでピクニックにいいですね。
なんだろ。
おおっ! ちょっとびっくりします。松岡徹さん作の「海神さま」です。あちこちで出会えます。
このようなアート作品がたくさんあります。
そして、島内のいたるところで見つけられる、佐久島地蔵さん。
「弁天鳥」。
春には梅の花がきれいだそうです。
大島から本島の方に戻ります。
桟橋のたもとでは「なぁ~ん」がお昼寝中です。横を通っても全然起きません。幸せそう。
島の西へ向かう
第一の目的である、島の西の方に向かいます。
またまた、「なぁ~ん」がいます。手入れが行き届いていますね。つやつやした毛並みです。
フラワーロードにはいろいろな花が咲いてました。
アートオブジェ「カモメの駐車場」はまたあとで。
島の真ん中あたりから少し西に行ったところに、「ノンとビリーだ」と紹介されているヤギさんたち。佐久島のアイドルです。今日は平日なので、ゆっくりと休憩中です。休日の観光客が多い時にはあちこちお散歩してるようです。
「クライムガルテン」の前にあるウェルカムスペース。
道沿いにオブジェがあります。
とてもきれいに作られています。
「海神」さまも座って良いそうです。
島の西側には「黒壁集落」と呼ばれる、コールタールで塗った黒壁の家がたくさんあります。三河湾の黒真珠と飛ばれ、潮風に強いそうです。景観を残すために、島民の皆さんや、ボランティアの方々が保存活動に取り組まれています。
Oyaoyacafe もんぺまるけ
さて、お昼ごはんにしようと、あちこち探したのですが、平日はお休みのところや、「1時から開けます」と札がかかったところばかりです。島おこしの活動拠点となってる、「弁天サロン」で訪ねてみると、「もんぺまるけ」さんが営業しているということで、そちらに向かいます。西港の弁天サロンから歩いて3分ぐらいです。
やってきました。「Oyaoyacafe もんぺまるけ」さんです。
手作り感がいいですね。
カフェ内は昭和レトロなものがたくさんあります。見てて懐かしいし、楽しいです。
飾り方もなかなかグッド。
お昼ということで、ランチに「しらす丼」をいただきました。
そして、デザートにどら焼き。手作りアンコですよ。ひつこくない甘さでとてもおいしかったです。
念願かなう
おなかも膨れて、用意万端。
何がって?
人間おなかが膨れたらすることは一つ。お天気もいいし… ということで、今回の旅行の目的地へ急ぎます。
またまた、「なぁ~ん」がいます。とっても多いですね。
さて島の西地区で、この観光地の目玉と言っても過言ではない、アートオブジェクトがある「石垣(しがき)」の海岸にやってきました。
今回の目的はこれっ!
ここです。これです。
南川祐輝さんの「おひるねハウス」です。
インターネットでこの写真を見て、天気のいい日に来てみたいと思いました。
そして、夢がかないました。こんなに天気のいい日に来られて大満足です。
中から。「黒壁集落」を意識してか、黒が基調のオブジェになっています。ここからは、湾の反対側の東港にある「イーストハウス」が見えます。
いいですね。こんなのが日本中あちこちにあれば、心はゆったりするし、もっと自然と対話するということに興味を持つ人が増えるのではないかと思います。
実は、セルフタイマーでいろいろな写真を撮ったのですが、ちょっと恥ずかしいので非公開です。
平日なので、ほぼ貸し切り状態。ウハウハで写真を撮りました。私が来た時には一組のカップルが帰るところでした。そのあと、おばちゃんのグループが来たのですが、すぐに行ってしまいました。みなさん、自転車で回られており、日帰りでの訪問のようでした。私は時間にせかされるのは嫌なので、時間が余るぐらいの予定を立てることが多いです。なので、鉄道やバスなどの「定時」が嫌いで、車で旅行することが多いです。
今回の旅行では、2日で900枚ぐらいの写真を撮りました。写真はへたくそですが、思い出に残して、家での食事の時などにスライドショーで見ています。
台風21号の影響
今度は島の北東部にあるオブジェなどを見に行こうと移動開始です。
先ほどの「クラインガルテン」まで来ました。
「クラインガルテン」はドイツ語ですが、直訳すると「小さな庭」という意味で、日本語では「宿泊滞在型農業体験施設」となるそうです。利用者である都市住民との交流が活発化することによる地域づくりや利用者が定住に結びつくなどの効果が期待できるあそうです。
上の写真の「ラウベ棟」は10棟あり、1年単位の契約で最長5年まで更新可能だそうです。
クラインガルテンのシンボル「クラインバウワーの時計塔」。時計を抱えて時間を知らせてくれる「クラインバウワー(小さな農夫)」です。
弘法巡りのお遍路をイメージした「お遍路さんのフットライト」です。
クラインガルテンの横を通り過ぎいて山手の方に行こうとしたのですが、通行止めの赤い三角コーナーとタイガー色のポールに阻まれて通行止めのようです。
その先にはアートオブジェの「空の水-山」や「白山社」という神社があるので行きたかったのですが、予定変更です。
島の北に行く
仕方がないので島の中央部にある「佐久島小中学校」まで戻ってきました。駐在所、診療所の少し東にある道から島の北側に行きます。
山の中を通るのですが、ほぼコンクリートで覆われた路面で軽トラが通れるくらいの道幅があり、両側の山も標高が30数メートルなので、ハイキング程度の山登りです。
山を越えて、島の北側に出ました。静かな海で、本土が見えています。
島の周りのどこでも見られる地層です。きれいに段々がわかれています。
少し山手に入ったところにある「北のテーブル」です。
「ハイキングロード」を歩きます。
「ハイキングロード」の西の端、「ひだまり庵」にやってきました。
「王様のイス」です。
ここにも「海神さま」が。
隅の方にも。
島の北東
「ひだまり庵」から海岸にでました。
「すわるとこプロジェクト」のオブジェです。
やってきました。
「星を想う場所」です。
なかなか面白い作品です。
上からのぞくと中にもいろいろと埋め込まれています。
のどかな海でゆっくりします。
佐久島弘法八十八か所巡り
佐久島には大正時代に八十八か所の写し霊場として弘法大師の祠が建てられ、島外からたくさんのお遍路さんが訪れていたそうです。近年は過疎化と高齢化によって縮小されていました。
「三河・佐久島アートプラン21」で、2012年、建築家による弘法の祠の新設、建築を学ぶ学生による祠のリノベーション、失われた弘法大師像を2人のアーティストが製作する「佐久島弘法プロジェクト」を行い、「佐久島弘法巡り」が復活しました。
今回は回りませんでしたが、3時間程度で全部が回れるそうです。
アートの要素を取り入れた祠です。
こちらもちょっと変わった祠ですね。
このような祠やお寺で八十八か所が島内にあります。
ところどころで見られる、掃除道具の収納場所。
山から下りてくると「なぁ~ん」がいました。
Cafe&BAR じょえる
東港まで戻ってきましたが、ちょっと一服でお茶をします。
東港の近くです。
BARスタイルのお店です。暑かったのでアイスコーヒーをいただきました。
港が見えます。いい景色です。夜に星空を見てみたいですね。
おしゃれなテーブル。ゆっくりと休憩できました。
夕暮れまでに
少し日が傾いてきました。
夕焼けを撮る場所を探しに東部地区をうろうろします。
東港も赤みを帯びた色合いになってきました。
夕焼けは「イーストハウス」がよさそうですね。夕焼けまでもう少し時間があるので、もう一か所巡りましょう。
カモメの駐車場
東港から、少し北へ向かうと湾岸に「大浦海水浴場」があるのですが、その北の端に「カモメの駐車場」というアートオブジェがあります。そこに行きましょう。
「大浦海水浴場」から見た「イーストハウス」です。夕日できれいに見えています。
ここにも「すわるとこプロジェクト」のオブジェがあります。
やってきました、木村崇人さんの「カモメの駐車場」。
突堤の上にカモメが並んでいます。
夕暮れでいい色合いになってます。
夕日を撮る
さて、夕方になったら、当然、夕日撮影です。残念ながら少し雲が出てきました。明日から台風22号の影響が出てくるそうで、空は雨模様だそうです。
「イーストハウス」の夕日。
きれいです。大満足。
もう沈んでしまいそうです。ここでもセルフタイマーでいろいろな写真を撮りましたが、秘密。こういうオブジェがあると、ただ夕日を撮るより面白いですね。
金色の雲。
ほんとの夕焼けです。きれいな赤ですよ。
民宿「ちどり」さん
今回お世話になったのは、民宿の「ちどり」さんです。東港から歩いて2分ぐらいで、「大浦海水浴場」のすぐ近くです。
女将さんにも大将にもとても親切にしていただきました。ゆっくりお風呂に浸かって海の幸をいただきます。
滅多に行けない旅行なので、通常料金に少し上乗せして、お料理を増やしていただきました。名物の大あさりはもちろんのこと、カニ、フグ、船盛、タイのあらのお鍋で最後は鯛雑炊まで食べられて、もう言うことなしです。
本当のゆでだこ。とってもおいしかったです。
一日目はとてもいい天気で言うことなし。おなかもいっぱいになって大満足です。今日一日で万歩計は23000歩。おかげさまでぐっすりと眠りました。海辺は波の音がいいですね。
さて、二日目はどうなることやら。
アクセス
- 一色港からフェリーで約20分 大人片道¥820-