番外編 滋賀 日吉大社 平安京の表鬼門

皇城表鬼門の棟持猿

この「ガイドブックに載らない京都」は、「京都」と言ってるのですから、「京都」について書くのが本筋でしょう。でも、まぁ番外編(他府県)の多いこと...今回もまた、お隣の滋賀県の記事です。

以前から、平安京の都は、建都当時から幾重もの守りが敷かれていると書いてきましたね。古代日本においては魔除け、方除けに重きを置いて、旅や転居、居住地の方角などには、とても慎重に判断をしていました。そして、「魔」の来る方角(鬼門)には、魔除けの防御施設ともなる建物や像を設置して、鎮護国家の政(まつりごと)を行ってきました。

地図上で平安京(つーか、御所)の鬼門方向である北東方向に線を引いていくと、比叡山を超えて大津の地にあるのが、この「日吉大社」です。皇城表鬼門の守りとして、平安時代から崇敬を集めていました。(神社の創祀はもっと古いです。)

いつかは「日吉大社」のことを書こうと思っていたのですが、やっとその日が訪れました。

京都から「日吉大社」を訪れるにはJR湖西線で「比叡山坂本」まで行くか、京阪石山坂本線の終点である「坂本比叡山口」まで行くか、それとも車で直接行くかが現実的です。ただ、車は、紅葉シーズンにはなかなか駐車場に止められないほど混雑するそうなのでお気を付け下さい。

私は、まだまだ正月気分の1月に訪れたのですが、寒いためか駐車場はガラガラでしたよ。「日吉大社」の駐車場に止めても良かったのですが、近所を散策するので「大津市営 大宮川駐車場(無料)」に止めて歩きました。ここから「日吉大社」までは歩いて5分程度です。

で、当日、「麒麟がくる」にかこつけて、関連史跡を巡った後、ゆっくりと「日吉大社」にお詣りしました。なので、「大宮川駐車場」の方からではなく、JR「比叡山坂本口」から山手の方(西)に向かって歩きます。

日吉大社 No2

と、まだまだ「日吉大社」には程遠いのに鳥居が出現。参の鳥居になるのでしょうか。

日吉大社 No3

この辺りは、鳥居の幅からしても昔の道幅なんでしょうね。

日吉大社 No4

京阪の「坂本比叡山口」を過ぎてもう少し歩くと、またまた鳥居出現。弐の鳥居でしょうか。この鳥居を過ぎると、いきなり道幅が広くなります。両側に歩道がありとても歩きやすくなります。で、その両側はお寺だらけ。地図で阪本を見てみると良くわかると思うのですが、神社仏閣の非常に多いところです。京都の寺町なんかよりもはるかにお寺が密集しています。これだけお寺がたくさんあるところも他にはなかなかないのではないでしょうか。檀家さん、集まるのかなぁと心配になるほどの数ですよ。

日吉大社 No5

そして、この辺りは「坂本城」等でも有名な、石工集団の「穴太衆」が組んだ「穴太積み」と言われる石積みが見られます。これらすべてが「穴太積み」ではないのでしょうけど、どこの石積みを見てもとてもきれいにぎっしりと組み上げられています。

日吉大社 No6

弐の鳥居を越した後は歩道をゆっくりと歩きます。寒い時期なので参詣の人々はまばらです。

日吉大社 No7

壱の鳥居が見えてきましたよ。...あの山の上の建物、気になるなぁ...

日吉大社 No8

正月三ヶ日が終わったので、初詣の人もあまりいないようですね。ゆっくりとお詣りできそうですよ。天気もいいし、参詣日和ですね。

日吉大社 No9

立派な「日吉大社」の神額です。

日吉大社 No10

「官幣大社 日吉神社」の石柱です。全国3800余りの日吉・日枝・山王神社の総本宮です。

日吉大社 No11

いや、とても気になるんですけど。あの山の上...(後で調べて見たら三宮神社というそうです。)

日吉大社 No12

「お、井戸か?」と思ったのですが...

日吉大社 No13

手水鉢でした。井戸好きとしては残念。

日吉大社 No14

この手水鉢があったのは「求法寺走井元三大師堂」です。

日吉大社 No15

「良源(元三大師)」が延暦寺に入寺する際にこの地で一旦休息して、修行の決意を固めたことから「求法寺」と称するようになったそうです。

日吉大社 No16

「日本遺産 滋賀」の看板。最近はなんでも「遺産」なんですね。

日吉大社 No17

「入苑協賛料 大人\300-」を払って苑内に入ります。お正月ですから\300-も良しとしましょう。なんせ貧乏なので、出費はなかなか痛いです...

日吉大社 No18

いきなり駒札が立っているので、その後ろの木のことかと思ったら、「橋」の方でしたよ。

日吉大社 No19

日吉三橋の一つ「大宮橋」です。木造桁橋の形式がそのまま石造で再現されている橋で、先ほど石積みで紹介した「穴太衆」の作だそうです。重要文化財に指定されています。

日吉大社 No20

もともとは、天正年間(1573~92年)に「豊臣秀吉」によって寄進された木造の橋だったのですが、寛文9年(1669年)に現在の石造の橋に架け替えられ、現在に至ってます。

日吉大社 No21

隣に架かる「走井橋」です。これも重要文化財に指定されています。

日吉大社 No22

ささ、お詣り、お詣り。

日吉大社 No23

坂の上には大きな鳥居。琵琶湖岸でも見ましたね。「山王鳥居」です。

日吉大社 No24

鳥居の真下に、でで~んと駒札。

日吉大社 No25

でました!「神猿(まさる)」さんです。「魔が去る」「何よりも勝(まさ)る」ととても縁起のいいお猿さんです。

日吉大社 No26

凛々しい顔してます。「魔」が付け入るすきがないように見張っています。

日吉大社 No30

絵馬がかわいいです。「神猿」さんの絵馬に顔を書き入れるようになってます。

日吉大社 No29

西本宮の楼門までやって来ました。ここですよ。ここ! 守り神!

日吉大社 No28

正面のこれ? いやいや、違います。

日吉大社 No31

上の画像の中ですよ。

日吉大社 No32

これ。「棟持猿(むなもちざる)」です。屋根を支えているようですが、魔が入り込まないか見張りをしています。楼門の四隅にいるのですが、それぞれ違うポーズをしています。

日吉大社 No27

こちらも、ね。

日吉大社 No33

この「西本宮楼門」も重要文化財に指定されています。

日吉大社 No34

時代を感じさせますね。天正十四年(1586年)に建てられたものと推定されています。

日吉大社 No35

中では御祈祷の真っ最中。

日吉大社 No36

良いところに来ましたね。あやかってお詣りです。

日吉大社 No37

この拝殿も重要文化財です。

日吉大社 No38

こちらが本殿です。

日吉大社 No39

こちらは「国宝」です。

日吉大社 No40

リアルな狛犬さん。

日吉大社 No41

装飾も豪華です。

日吉大社 No42

本殿です。

日吉大社 No43

このキラキラに目を奪われます。

日吉大社 No44

本殿横には笹が植えられています。鬼門にはナンテンを植えることが多いですが、笹や竹も厄除けに植えられます。

日吉大社 No45

参詣の順路で行くと、いきなり隣の「宇佐宮」の前に出ます。

日吉大社 No46

こちらも大きい社です。

日吉大社 No47

重要文化財ですね。

日吉大社 No48

拝殿が後になりましたが、「宇佐宮」の拝殿です。

日吉大社 No50

こちらも重要文化財ですね。

日吉大社 No49

神蔵です。昔ながらの高床式ですよ。

日吉大社 No51

またまたそのお隣ですが「白山姫神社」があります。

日吉大社 No52

重要文化財です。

日吉大社 No53

「白山姫神社」の駒札です。

日吉大社 No54

目がキラッと光っている狛犬さん。

「日吉大社」の境内には40社のお社があるので、すべてを紹介しきれません。そりゃもう、次から次へと神社があらわれます。

そんな中で...

日吉大社 No55

でっかい御神木のもとに...

日吉大社 No56

「忍耐(しんぼう)地蔵」さん。

日吉大社 No57

何回やっても、手前の葉っぱにピントが行ってしまいます。奥の木の間に埋まっているのが「忍耐地蔵」です。

日吉大社 No58

最期に重要文化財の「二宮橋」です。石でこの作りですからねぇ。びっくりです。

やっと、念願の「日吉大社」にお詣りできて都を守るお猿さんにも会えました。阪本の町はこの「日吉大社」と共に歩んできたと言っても過言ではないと思います。お寺や神社がひしめく阪本の町の要ですね。京都からは少し離れていますが、一度お詣りされてはいかがでしょうか。

アクセス

  • 京阪石山坂本線「坂本比叡山口」下車、徒歩10分
  • JR湖西線「比叡山坂本」下車、徒歩20分

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