軽いハイキングのつもりが...
2月19日(水)は事前の天気予報で晴れることがわかってましたので、有給休暇を取りました。
で、当然...山。
その前の週は「樒原(しきもがはら)」から「愛宕山」に登って痛い目を見ましたので、もう少し低くて雪の無いところにしようと思い、比較的簡単に歩けるハイキングコースである「明智越え」に行きました。
「明智越え」はもう何回もレポートしてるので、そんなに面白くもなんともないと思いますが、今回は、途中から新ルート開拓で「高瀬山」に行くことにしました。
「高瀬山」なんて全然興味もなかったのですが、先日Blogで「高瀬川」や「高瀬舟」のことを調べてる時に、たまたま「高瀬山」というのにヒットしたことと、その「高瀬山」が京都にあって、加えて「明智越え」の近所であるという、これまた「こっち来んかい!」と呼ばれてるような気分になってしまったので、性懲りもなく行くことにしました。
下馬評では「高瀬山・・・展望なし。山頂、三角点が良くわからない。」などと、Webではぜんぜん良いこと無いように書かれてますけど、ま、話のタネに行ってみましょうや。

ということで、JR嵯峨野線「亀岡駅」です。「明智越え」は保津町から水尾の郷まで歩いても2時間30分もあればおつりがくるぐらいのコースなので、今日はずぼらして8時半過ぎの到着です。通勤通学の時間帯の跡なので、駅はもとより電車も空いていて楽ちんでした。

駅から見える「サンガスタジアム」。今から横を通って「明智越え」に向かいます。

完成してみるとでっかいですなぁ。

駅の北口ロータリーはまだ整備途中です。なんか飛んでますよ。

春には完成かな。

本体は完成してオープンも済ませたんですけど、周囲の駐車場が未整備のままなので急ピッチで工事中です。

「麒麟がくる 京都大河ドラマ館」と大々的に宣伝してますね。ここは「光秀大河物産館」つーことで、お土産屋さんですよ。ドラマ館ももう少し整備されたらレポートしますね。しかし光秀カッコ良ス。南郷公園にある光秀像とえらい違いですなぁ。

しかしこんなでっかいの建てて、維持費どうするんやろ。サッカーなんてもうそんなに流行らんやろし、サンガもいまいちやし...

結局、税金高うなるだけとちゃうんやろか。ま、そんなことどうでもええけど。目の前の保津大橋を渡ります。

橋の上から見える「愛宕山」。先週はあそこで往生しました。昨日も雪が降ったので、今朝はそれこそすごい積雪でしょう。私みたいな、「なんちゃって登山」をしてる人間にとっては鬼門ですよ。気持ちよく歩ける山道が一番です。

お~寒そう。

私は「愛宕山」の右手の低山である「明智越え」です。雪ぜんぜんないでしょ。うはは。

さっきから、なんかキラキラして気になってたんですけど、「凍結防止剤」が撒かれてるんですね。

「保津」の交差点を右折して山の方に向かいます。「明智越ハイキングコース」矢印が出てます。

おお、春ですね。白梅全開で咲いてます。

どんどこ歩いていくと分かれ道。

こそっと隠れて「明智越ハイキングコース」の標識があるので見落とさぬように。この古い道標がずっと続いているので、まぁ、間違って道迷いすることはないでしょう。

スイセンもきれいに咲いてます。

そろそろ山が近づいてきました。右寄りの道が正解です。

おお、入り口到着です。

ここ、ここ、「簾戸口(すどぐち)」です。

崩壊寸前の看板。昔懐かしい、めくれあがったペンキです。最近こんなん滅多と見られません。

「明智越」の説明書き。

「愛宕さん」への道でもあるんですよ。

『再確認!!遭難の8割が「山道から外れた」こと 地図アプリの活用を』とあります。

なんか、おどろおどろしい看板です。

QRコード、読めません。

さて、「明智越え」突入です。

ちょっと行くと左に曲がります。要所要所に「明智越ハイキングコース」と書かれた矢印看板が立ってますので、よく見てくださいね。

この看板、とっても古いものなんですけど、しっかりと読めますね。

最初は幟が続きます。

こんな山道なので、とっても歩きやすいです。

運動不足の人にはきつい坂かもしれませんが、山登りが好きな人には少し物足りないぐらいかもしれません。私? ふ~、 ふ~、 は~、と言ったところでしょうか。

JR亀岡駅からノンストップで歩いてきました。ちょっと水分補給しましょう。もう、汗だくです。

あこから歩いてきましたよ。荷物を下ろすほどではないので、すぐに歩きだします。

「いしだぁはん」とありますが「石堂丸」との関係はよくわかりません。

一緒に建ってる「峯の堂(むねんどう)」の案内書き。「第56代清和天皇」の崩御された場所だとか。

石垣のようなものが残ってます。

あとはこんもりとした塚のようなところに木々がいっぱい生えてるのみ。

しばらく進むと、こんどは「鐘撞堂跡」の案内板。

隣(北側)の「牛松山」ご良く見えています。ここより200mほど高い山です。

おお、動物の足跡。たぶん鹿。

パッと見て、だいたいわかるのですが、分岐路には「明智越ハイキングコース」の矢印があります。右へ行くと、保津峡の川に降りていきます。

平坦な道になりました。しばらくはこんな感じです。快調快調。

先週歩いた愛宕山の道。コンデジなんで、手前の「枝」にしっかりとピントが合ってますね。さすが日本製...

このあたりでもまだ亀岡市内が見えています。

「土用の霊泉」まで来ましたよ。YAMAPもヤマレコも「土用の霊泉」の場所がずれています。山道の分岐点になってますが、実際はもっと西側の道の途中です。

水が湧いているはずですが...

今の時期はだめなのかな。

けっこう湿った感じはあるのですが、「水」は確認できませんでしたよ。

進みましょう。ちょっとした倒木はありますが全然余裕です。

南を見ると「唐櫃越え」の広域林道が見えます。

そろそろ京都市内が見えだしました。

「比叡山」も見えますよ。

で、右の道は通行止め。2年前の台風で道が崩落して危険なので迂回路ができています。

大河ドラマのこともあってか、懇切丁寧な案内です。

ま、これで間違うことはないでしょう。

ということで、鉄塔のある方に向かいます。

鉄塔からの高圧電線は保津川を超えて「唐櫃越え」の方まで続いていますね。この先、大阪まで行ってます。

トロッコ列車の線路が見えてます。

来ました、鉄塔の真下。これをやらないと気が済みません。(子どもかよ。)

で、お腹も減ったのでおやつにパンを食べましょう。最近は待ってる、SEVENの「りんごのデニッシュ」です。

むっちゃうまいです。5分ほど休憩して、水分も取り、出発です。平坦な所ばかり歩いていたのでそれほどつかれていませんよ。

次の鉄塔に来ました。こちらの鉄塔の方が規模が大きいですね。

迂回路の分岐も立札がいっぱいあって、間違うことはないでしょう。

どうも亀岡方面はこの辺で見納めかな。

この辺りは「亀岡」「洛西」「京都市街」ととても展望がいいところです。

先週歩いた「愛宕山」のすり鉢が見えています。あのときに比べたら、なんという楽な道。ほんまに天国みたいな道でしたよ、この時までは...

で、現在、上の画像で「明智越え」の矢印の先あたりにいます。いつもは次の分岐点を北に向かい、「水尾の里」に降りてから ぶっといオレンジ色の道を保津峡駅まで歩いてます。
でもね...
「高瀬山」って、Webで見てしまったんですよ。ほんでもって上の画像の様に、ヤマレコでは保津峡駅までほぼ一直線に誰かが歩いた跡が残ってるではありませんか。(「ここ」って書いたところの細い線。)
なんや、保津峡駅までいけるんや。(脳みそ直結)
ほな、行こか。
やめておこうなどという気持ちは全然起こりませんでした。

歩いていると、右の道はロープで遮断されていて、何も思わず左へ降りていきました。で、少し歩いてからよく見ると、水尾の郷が見えるではありませんか。
さっきのロープの道が分岐点?
戻りましょう。

戻ってきましたよ。これだけいっぱい立札あると、「ここには入るな!」というほどのインパクトがありますね。でも「高瀬山」はこの先にあるようです。

つーことで、進軍ですよ。上の画像のようなとっても歩きやすい道が10分ほど続いたと思うと...

いきなり、道の右手の林の中に三角点出現。

ぽつんと。横に「高瀬山」の木札が落ちてます。

横の木にも木札発見。なんか、いとも簡単に「高瀬山」到着ですね。分かりにくいとか書いてあったのに拍子抜けです。
「高瀬山」に着いたら着いたで、あの一本道が気になります。どこにも引き返せという予兆は見えないので、まぁ、行ってみるか。

「明智越ハイキングコース」からは外れているのですが、コースの方に誘導する立札があります。

左下の方に降りていくようですよ。レッツゴー。

また鉄塔です。どんどん行きましょう。

植生が変わって杉が多くなってきました。

で、他の道に合流。私は正面少し右の道から降りてきました。今合流した道(左から来るやつ)は「亀岡ハイキングコース」というやつのようです。合流してからは、右手の方に進みます。

10mも進むとまた分岐路。右方向は「林道」とのみ。左手方向は「保津峡」とあるのでこちらが正解かな?(実はハズレでした。)

なんせ「ハイキングコース」って書いてあるしな。

下ります。快調。

なんかすごく朽ち果てた道標です。

ちょっと倒木もあり。少し道が荒れていますが、余裕余裕。

沢を渡って...はて? 地図に沢なんてなかったよ。
やっぱ、間違いですね。さっきの分岐路でしょう。

戻ってきました。「林道」の方(右)に行きましょう。

ひえ~。クマの檻?でっかいです。 で、で、で、出るんですか?
でも、よく見ると朽ち果ててますね。

なんか、アスファルトの道に出ましたよ。「林道」ってこれのこと?

今降りてきた道。

多分こっちが正解。少し林道を歩きます。

舗装された林道を少し歩くと、すぐにガードレールが見えてくるのでその脇から、右手の林の方に入ります。植林されているのであろう杉の林の一番端のところです。
と、林の端の方に道が出現。歩いていきましょう。ここが多分、上の地図の画像で「ここ」と書いた細い道です。

JR嵯峨野線の鉄橋が見えています。

道が少し荒れていますが、まだ何とか進めそうです。(やめときゃいいのに...)

あまり人が入った形跡はありませんが、道らしきものは続いています。

倒木が多くなってきて、乗り越えなければならなくなってきましたよ。

うお~。大倒木帯突入です。(この時は道を間違っているなんて思いませんでした。)

木が倒れてしまっているので景色は良いです。(なんのこっちゃ。)

でもね、ジャングルですよ。木の間を縫ったり、よじ登ったり。

まだまだ続きます。もうへとへと。

もうすでに、巻くこともできません。もう少し進みましょう。なんか滅茶苦茶ですね。

ひどいもんです。道はおろか、地面もほぼ見えないような状態です。疲れて思うように体が動きません。よじ登っては越え、よじ登っては越え、倒木の下をかいくぐり...

で、地図を見ると、道を間違ってます...あれま。道はもっと手前で山頂目指して登ってますね。私は等高線に沿って進んでいます...Oh.
仕方ないので、戻るのですが、同じ道は通れそうにないので、さっきよりも少し上の方を戻ります。

振り返ると、こんなんです。こんなとこ登ってきました。もう手に力が入りませんよ。

斜面を登ってくると、一番上で獣道に出くわしました。ラッキー。

獣道に沿って移動します。しかし、まだ乗り越えんといかんなぁ。

もう、こんな斜面こりごりですよ。

どうも、獣は下をくぐれるようですね...ちくしょう、乗り越えるか。

やっと、山道に出ました。もう、へとへとです。
頂上の方に行きましょう。

「高瀬山」からハイキングコースで道を間違い、「林道」から山道に入るところでまた道を間違い、大倒木帯で道がわからずさまよって、やっとのことで頂上に向かいう道ですよ。とほほ。

そろそろ、頂上です。

頂上で、道を見失いました。道を間違うのをロストと言いますけど、道が無くなってしまうのもロストっていうんでしょうか。 右を見ても...

左を見ても...

当然、真ん前も...
道がありません!(断言)
が、その時!
右下の方から「まもなく、1番のりばを 列車が通過します。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください。」のアナウンスが...
おお、JR保津峡駅ではないですか。目標は右下やね。仕方ないし、降りますか。

でも、降りるの? この斜面? さっきの登り斜面の比じゃないよ。 真っ逆さまに落ちそうですよ。

木の根元の方を見ると、曲がってるでしょ。そんだけ急斜面なんですよ。この斜面は登れと言っても無理なぐらいの急斜面です。
仕方ないので降ります。

仕方がないので降りてますが、見上げるとこんな感じです。体感的には70度ぐらいありそうな傾斜です。 斜面というか、壁ですよ、壁。

木から木へと、飛び移るように降りていきます。多分、何もないところに立ち止ると、止まることもできずに下まで滑り落ちていきます。

もう大分と降りてきましたが、まだ続きます。生きた心地がしません。

ちょっと斜面が緩やかになってきました。

それでもこんなんです。なんちゅうところや。

杉の林が終わりそうです。そろそろ保津峡駅か?

そんなわけありませんでした。今までは杉の枝が斜面一面に積もってたんですけど、雑木林になってガレ場になりました。うっひょー、これは怖い。すべるぅ~。ほんでもって、また急斜面。

行けども行けども急斜面。多分一回滑ったら、数十メートル滑落やね。木にぶつからん限り、止まる自信ないわ。

尾根が出てきましたが...

この先も切り立ったガケ...いやほんまにガケですわ。

よう、こんなところに木が生えてるわ。

岩場に出ましたけど、その先またガケ。岩につかまりながら降りようとしたんですけど、岩がバラバラと崩れてしまって、一緒に落ちるところでした。間一髪命拾い。 相変わらず、木から木へと綱渡りの様に移っていきます。

まだ続くよ~う。なんとかしてくれ~。時々滑っては近くの木にしがみついて止まるという、何ともカッコ悪い降り方ですが、なんともならん斜面です。落ち葉の下が砂利のようになっていると、ザッザーーーーー「ひょえ~~。」ーーーガシっ、「ふ~っ、ふ~っ、おーこわ。」の連続です。

ちょっと張り出した部分に立ったんですけど...

下の方になんか見える。

お、道と橋らしきものが見えますよ。でも、落石止めのネットがあるので橋の所の継ぎ目でしか道に出られません。

横に移動。

お、あこですよ。でも真っ直ぐ降りられません。

少し遠回り。

真っ直ぐ降りてたら、目の前のところ、川まで滑り落ちてたでしょう。

滑り落ちそうな斜面を直角に、そろそろと横切ります。写真撮ってる場合ではないけど...

おお、やっと保津峡駅の前の道に降りました。先週は、ここにサルがいたんですけど、今日はいませんね。よかった。

こんな斜面を下りてきました。これは、登れと言われてもちょっとやそっとでは登れないですよ。

我ながら、アホなことしてますね。下に降りてくると冷静になれます。ほんでもって、生きてるという実感がわきます。これがイカンのやね。またやろうという気になってしまうので。

とかなんとか、そんなことは今考えていてもしょうがないので、駅に向かいましょう。

JR嵯峨野線「保津峡駅」到着です。今日も誰もいませんね。閑散としてます。

ここに来るとホッとしますよ。
家を出るときは、天気もいいので気楽なハイキングを目論んでましたけど、結局はハプニング続きというか、半分無謀というか、反省するところいっぱいです。でも、怪我なく帰って来れたのでよかったです。
冒険家って、こういう体験が積み重なって泥沼にはまっていくんでしょうね。自分の力量を正しく見極めていないと痛い目に遭いそうです。私はもう歳なので、気軽なハイカーで十分です。
アクセス
- 高瀬山・・・下の地図は、GoogleMapで、「このへんかな?」と自分でクリックした地点なので、GPSデータなどから取ったデータではありません、あしからず。つまりいい加減ということですよ...でも、この地点から半径500m以内には山頂があるはずです。