京都郵便電信局(中京郵便局) ネオルネッサンス

三条通りの「きれいやなぁ~。」

今回は建築です。建築に関しては疎いので、由緒ある建物を見ても「きれいやなぁ~。」ぐらいにしか思わない私ですが、その「きれいやなぁ~。」をお伝えできたら良いなと思ってます。

そんな「きれいやなぁ~。」と思った今回の建物は、三条通りにある「京都郵便電信局」です。現在も「中京郵便局」として、現役で使われています。外装は保存されていますが、内部が改装、補強工事されたので、「現役で」というと語弊がありますが、現代では耐震基準が満たされていないといけないので、致し方ありませんね。

さて「京都郵便電信局」ですが、場所は三条通りの「東洞院」角にあります。三条通りのこの辺りは明治時代以降には商業の中心地であったため、当時の近代的な建物がたくさん立てられました。昭和に入ると、金融や証券の会社は烏丸通り、販売業を営む企業は四条通りの方に移転していき、三条通りは道が狭いまま、当時の面影を残すことになりました。

三条通り、今となっては道が細いので、車による往来はなかなか不便なのですが、観光客目当てのお店が寺町通りの方から西に向かって三条通りを西進して増えているので、歩行者の往来は、以前に比べると大変多くなってきています。

私は「東洞院通」を北から歩いてきました。

京都郵便電信局 No2

この建物です。「東洞院」沿いの画像です。見えている交差点が三条通りです。

京都郵便電信局 No3

かっこいいでしょ。「レンガ+石」 というヨーロッパ風の近代建築の鉄板を踏襲しています。

京都郵便電信局 No4

「東洞院」側(西麺)の上の方です。

京都郵便電信局 No5

「三条東洞院」の角。かっちょええ。郵便の車、邪魔やし...

京都郵便電信局 No6

張り出した出窓が、またいいですね。

京都郵便電信局 No7

「三条通」側の「中京郵便局」出入り口。

京都郵便電信局 No8

「京都郵便電信局」の説明書き。建設省(当時)によって「公共建築百選」に選ばれています。あ、また私がうっすらと映ってますね。偏光フィルターが必要ですね、お恥ずかしい...

京都郵便電信局は明治4年(1871年)日本の近代郵便制度の創設とともに「西京(さいきょう)郵便役所」として開設されたのが始まりです。明治8年(1875年)には「京都郵便局」となり、為替取扱と貯金取扱を開始します。明治18年(1885年)には電信取扱を開始し、明治20年(1887年)「京都郵便局」と「京都電信局」が合併し、「京都郵便電信局」となりました。そして、明治35年(1902年)赤レンガ造り2階建の局舎を新築しています。

その後、明治36年(1903年)「京都電話交換局」と合併し、「京都郵便局」となり、昭和24年(1949年)「中京郵便局」に改称しました。

京都郵便電信局 No9

「京都郵便電信局」旧庁舎の案内書き。

中京郵便局旧庁舎外観

中京郵便局の旧庁舎は、京都郵便電信局として、通信省営繕課の吉井茂則・三橋四郎の設計、同小泉鉄也の監督のもと安藤組の施工により、明治35年(1902)8月に竣工した。ネオルネッサンス様式のこの旧庁舎は、当時の代表的郵便局で、日本の近代建築史においても重要な位置を占める作品であった。
昭和51年3月から同53年4月に中京郵便局の改築が行われたが、この時旧庁舎の南面及び東西側面の一部の外壁と屋根が保存された。
中京郵便局は、近代京都における経済の中心地であった三条通に位置し、旧庁舎の外観は当時の雰囲気をよく伝えている。またその意匠は優れたもので、三条通の景観保全にも寄与しており、昭和61年6月2日、京都市登録有形文化財に登録された。

京都市

案内書きにもありますが、昭和51年に改築工事が行われています。昭和48年(1973年)に発表された改築計画では、昭和49年(1974年)に一旦は局舎の取壊しが決定したのですが、反対運動などもあって、最終的には、「ファサード保存」と言われる外壁を残したまま内部のみを新築する建築手法を用いて改築することになりました。この「ファサード保存」は、中京郵便局舎が日本で最初の実施例となり、その後、歴史的建造物の保存などを目的として数多く用いられています。「ファサード」とは、フランス語で建築物の正面部分『デザイン』のことをさします。中身は失われるので、あまりいい保存ではないのかもしれませんが、建て替え不可能な時には仕方ないですね。

京都郵便電信局 No10

「三条通」側の南面を東から見た画像。

京都郵便電信局 No11

立派な階段でしょ。

京都郵便電信局 No12

これ、是非とも見に来てください。明治期の近代建築が立派に保存されています。そして、どうせなら晴天の日のお昼過ぎが良いですよ。南面も西面もお日様が当たってとてもきれいに見えますから。

アクセス

  • 京都市バス「烏丸御池」下車、徒歩5分

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