大正モダン建築
京都にはいろいろな時代の建物が残っています。今回は、大正時代のモダン建築である「旧京都中央電話局西陣分局舎」を紹介します。
この建物は、岩元 禄(いわもと ろく)が設計した、京都で3番目の電話分局です。大正9年(1920年)10月の起工,翌年12月の竣工となっています。逓信省に入省した彼が初めて携わった建物です。
油小路の中立売角にある3階建ての建物で、国指定重要文化財です。
NTTの建物ですが...はっきり言って、電線が邪魔です。そして、道路標識。上の画像、もう少し下がりたいのですが、反対側に建物があるのでこれ以上下がれません。
出窓部分です。
岩元禄は建築にひたすら芸術性を求めた人でした。わずかに3つの建物を設計しただけで、若くして結核でなくなっています。とても残念です。
裸婦のトルソーですが、大正時代においては、けっこう過激な表現だったのではないでしょうか。「逓信省」という、お堅い役所がよくOKを出したものだと感心します。お役人にもハイカラな人が多かったのでしょうか。
当時普及した「電話」が時代の最先端だったので、建築としても前衛的な芸術作品を目指したのでしょう。
3階部にあるライオン。
レリーフが敷き詰められています。
中に入ることはできません。外からの見学だけです。
どちらの方向から歩いてきても、おおっ!と見上げてしまいます。晴明神社のすぐ近くなので、お詣りの時には、ちょっと寄ってみてください。大正時代の最先端と、岩元 禄の情熱が感じられます。
アクセス
- 京都市バス「堀川中立売」下車、徒歩2分