波切不動尊(一乗寺) ぼけ封じ

「波切」もしくは「波除」

今回は、「一乗寺」にある「波切不動明王」を訪ねます。

先日、「一乗寺降魔不動明王」を紹介しましたが、「不動明王」と「波切不動明王」は何が違うのでしょうか。「波切」とあるので、「海」や「河」などの水に関係があるのかなと思いますよね。まさにその通りなんですけども、どちらにも違いはなく「不動明王」であるそうです。「波切」は「波除」とされるときもあります。

密教の経典とともに「不動明王」を日本に伝えた弘法大師「空海」ですが、「遣唐使」の随行して唐にわたり、2年ののち帰路につきます。その船が嵐に襲われた時、「空海」は自分が彫った「不動明王」を掲げて「不動真言」を唱えると、大きな波が剣で切り分けられたように別れ、無事に日本までたどり着くことができたそうです。そのことから「空海」の彫った「不動明王」を「波切不動明王」と言うそうです。その「波切不動明王」は高野山の「南院」にご本尊として、今も祀られています。

この高野山の「南院」にご本尊である「波切不動明王」を総本家として、全国各地に「波切不動明王」が祭られています。今回は一乗寺にある「波切不動尊」を訪ねます。

京都市バス「一乗寺木之本町」で下車して、東の山手の方に歩きます。

波切不動尊_一乗寺 No3

坂がだんだんと急になってきて「波切不動明王」の幟が見えだしました。もうすぐです。

波切不動尊_一乗寺 No2

おっと! 狸? なんかアライグマみたいですね。いきなり道に出てきましたよ。

波切不動尊_一乗寺 No4

到着しました。「波切不動尊」です。境内は奥に細長くなっています。山が迫っていて、密教の修行場という雰囲気を醸し出しています。

波切不動尊_一乗寺 No5

境内の入り口近くに「ほほえみ大師」の立像があります。駒札や説明書きはありません。

波切不動尊_一乗寺 No6

「波切不動明王」の説明書きはありました。

波切不動尊_一乗寺 No7

「浅野菊松大先生霊神」と彫られた大きな石碑。Webでは情報がありません。「修行五十三年記念」とあるので、仏僧か宗教家なのでしょうか。

波切不動尊_一乗寺 No8

こちらは「安田水行勢津霊神」と刻まれています。こちらもWebでは情報がありません。

波切不動尊_一乗寺 No10

「玉芳大神」「玉宮大神」「おせき大神」「早馬大神」と神様が祀られています。

波切不動尊_一乗寺 No11

そのほかにも...

波切不動尊_一乗寺 No12

なんとまぁ...

波切不動尊_一乗寺 No13

おびただしい数...

波切不動尊_一乗寺 No14

数えきれないぐらいです。

波切不動尊_一乗寺 No15

「御土居」にある「市五郎大明神」を思い出します。仏さんと神さんが入り混じって祀られています。

波切不動尊_一乗寺 No9

で、本堂です。

波切不動尊_一乗寺 No18

きれいな青の垂れ幕が奉納されていますね。

波切不動尊_一乗寺 No19

「波切不動明王」です。

波切不動尊_一乗寺 No20

祭壇が設けられています。

波切不動尊_一乗寺 No21

ご本尊の「波切不動明王」像です。

本堂の裏手から、水の音が聞こえてくるので行ってみましょう。

波切不動尊_一乗寺 No17

裏手には滝行を行うための滝が設けられています。

波切不動尊_一乗寺 No16

滝の背後にも「波切不動明王」が祭られています。

山奥深く行かなくても、密教の修行場のような雰囲気満点の不動尊です。変遷などは不明なのですが、「一乗寺」が存在していやころから地域の信仰があったのではないでしょうか。

実はこの一乗寺の「波切不動尊」は「ぼけ封じ」の御利益があるということでも有名です。私は船に乗ることはめったにないので、海運安全のご利益にあずかることは少ないと思いますが、「ぼけ封じ」の方はもう目の前に切羽詰っていますので、ご利益にすがりたいと思ってます。

アクセス

  • 京都市バス「一乗寺木之本町」下車、徒歩10分

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