水無月 鶴屋吉信

フライング

「水無月」といえば、月の異名ですが、京都ではもっと他の意味があるんです。

何を隠そう、和菓子の名称なんですよ。最近はWebなんかで情報が出てるので知ってる人も増えてきましたが、京都では6月30日に「水無月」という和菓子をいただきます。

「水無月」ってどんなんや? と聞かれると、簡単に言えば外郎(ういろう)に小豆の乗ったやつ、なんですね。京都の外郎といえば安政2年(1855年)創業の「五建外良屋」が有名です。で、京都では「ういろう」という人は少なく「ういろ」といってます。なので「五建ういろ」なんです。でも、この時期は、どこの和菓子屋さんも「水無月」をメインに売り出しています。一応、年中手に入りますが、旬のものですから今たべないとね。

で、ほんとは6月30日なんですよ。でもね、ガマンが出来なかったんです。一足お先にいただきました。

今年は「鶴屋吉信」さんの「水無月」を買ってきました。スーパーとかで売ってる「水無月」は賞味期限が2,3日ありますけど、和菓子屋さんの「水無月」は当然、当日がおいしいに決まってます。30日まで置いておくなんて考えられません。逆に30日に買いに行くなら、開店いちばんから並ばないと、おいしいお店の「水無月」は売り切れてしまって手に入りません。

なんで6月30日かというと、「夏越の大祓」があるからです。「茅の輪くぐり」してお詣りしてから、「水無月」を買うて帰ってきて家でいただくというのが昔からの風習です。

さて、うんちくグダグダ並べてても仕方ありません。いただきます。

水無月_鶴屋吉信 No2

わ~い、「水無月」だよ~。

水無月_鶴屋吉信 No3

「生菓子です まっすぐにお持ちくださいませ」と書かれています。スーパーで売ってる「水無月」は箱いっぱい、きちきちに入ってたり、パックだったりするんですけど...

水無月_鶴屋吉信 No4

この「水無月」、中は至ってシンプル。

水無月_鶴屋吉信 No5

そっと、並べられているので、当然まっすぐ持って歩かないと痛い目を見ます。

水無月_鶴屋吉信 No6

そんなに大きくはありません。お茶うけにちょうどいい大きさですよ。

水無月_鶴屋吉信 No7

やわらかそうな小豆がたまりません。

水無月_鶴屋吉信 No8

「ういろ」は米粉が主体で小麦粉なども入っているようですが、蒸篭(せいろ)で蒸したものです。

水無月_鶴屋吉信 No9

やわらかそうですよ。

水無月_鶴屋吉信 No10

この小豆、たまりません。

水無月_鶴屋吉信 No11

そうそう、なんで「水無月」を食べるのかというと...

もともと、宮中では旧6月1日に、「氷室」から氷を取り寄せて食べるという「氷の節句」がありました。この日に氷を食べると、無病息災で夏を乗り越えられるという言い伝えがあったからです。ですから、冬の間に京都の北山にある「氷室」に氷を蓄え、この日になるとわざわざ氷室から氷を運んで食べたのだそうですよ。なんと贅沢な。ところが、やはり「氷室」は現代のような冷蔵庫ではないので、必ず夏まで氷を保存できるとは限りませんし、長い道のりを氷が解けないように運ぶのは並大抵のことではありません。そこで氷の代わりに「ういろ」を食べるようになったのですが、氷のかけらを再現するように三角に切って角をとがらせ、また、魔除けの力があるということで小豆をトッピングしています。この小豆を乗せた「ういろ」を6月に食べるので「水無月」というようになったそうですよ。これで無病息災、厄除けにもなるし、暑い夏を乗り越えられること間違いなし。

また、ゴタクをグダグダと言ってますが、なんであれ、蒸し暑くなってきましたので「水無月」食べて、ほっこりとしましょうよ。

アクセス

  • 鶴屋吉信・京都本店 京都市バス「堀川今出川」下車すぐ
  • 市内各地にお店があります。京都駅のJR京都伊勢丹にもありますよ。

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