見所の多い 六角堂
六角堂はトピックスになる言葉がたくさんあります。
いけばな、聖徳太子、親鸞聖人、十六羅漢、六角柳、へそ石、お地蔵さん
そして、白鳥。
これほど境内の内外に見どころの多いお寺も珍しいのではないでしょうか。
六角というだけあって、なんとも複雑な形です。
ビルの谷間にあります。
聖徳太子
六角堂は紫雲山頂法寺というお寺ですが、聖徳太子が用明天皇2年(587年)に創建したと伝えられ、ご本尊の如意輪観音像が信仰を集めています。西国三十三所、洛陽三十三所の札所となってます。
六角堂の北側に、聖徳太子が身を清めたと伝えられる池の跡があります。如意輪観音像を念持仏としていた聖徳太子が、四天王寺建立の材木を求め京都を訪れました。太子が池で身を清めるときに、念持仏を木に掛けたところ動かなくなり、この地にとどまって人々を救いたいと太子に告げたため、六角形の御堂を建てて安置したといわれています。
この礎石は六角堂境内の発掘調査により、天明8年(1788年)に焼失したとみられる遺構面から出土したものです。十六世紀前後に建てられた時の礎石と考えられるそうです。
いけばな
聖徳太子が身を清めたと伝えられる池のほとりに、小野妹子を始祖とする僧侶の住坊があり、「池坊」と呼ばれるようになりました。代々六角堂の住職を務める池坊は、仏前に花を供える中でさまざまな工夫を加え、室町時代の「いけばな」成立に至ります。そう、ここが「いけばな」発祥の地です。
「いけばな資料館(見学は予約制)」や「家本道場」、「WEST18(いけばな研修教室など)」といけばな発祥の地にふさわしい、美的センスのいい施設があります。
親鸞聖人
鎌倉時代の初め、比叡山で修行していた親鸞は、建仁元年(1201年)六角堂に百日参籠するという荒行を行いました。参籠は、夜になると比叡山を下りて六角堂に籠もり、朝には山に戻る繰り返しでした。九十五日目の朝に如意輪観音からお告げを受けて、浄土真宗を開くきっかけを得たそうです。
境内
境内にはまだまだいろいろな見どころが盛りだくさんです。
一番目を引くのが十六羅漢です。十六とは、方位角の四方八方の倍にあたる数です。羅漢とは優れた僧侶に与えられる名前です。十六羅漢とは、あらゆる場所に羅漢がいることを意味します。
六角堂の十六羅漢は、「和顔愛語(わげんあいご)」を表現しています。いつも優しい顔つきで、穏やかに話をするように心がければ、必ず良い報いがあるという教えです。
「へそ石」です。以前は門前の六角通りにあったのですが、明治時代初期に境内に移しました。六角堂が京都の中心とされたことから、「へそ石」と呼ばれています。
一言願い地蔵
首を少し傾げたお地蔵様です。お参りの方の願い事を叶えようか、どうしようかと考えられている姿だそうです。お参りする方の信心で叶うそうなので、欲張らずに一つだけお願いしてください。きっと叶います。
その他にも、「合掌地蔵」「わらべ地蔵」「北向地蔵」などお地蔵さんがたくさんありますのでよく探してください。
映画「花戦さ」の宣伝もしているのでにぎやかな雰囲気がしています。
右側が「六角柳」です。平安時代、嵯峨天皇の夢に六角堂の如意輪観音が現れ、「六角堂の柳の下を見てみるように」とのお告げがありました。そこには一人の美しい女性が立っており、天皇はすぐに妃として迎えました。ここから「六角堂の柳に願をかけると良縁に恵まれる」と話しが広まり、「縁結びの柳」として有名になりました。
柳の枝にはたくさんのおみくじが結ばれています。
六角堂は裏側も六角です。
とても大きな提灯です。
そして 白鳥
聖徳太子沐浴の古跡の池には、なんと白鳥がいるんですよ。
動物園のように檻の中にいるのではなく、池です。近づくと噛むそうなので人間と分離するために低い網はあるのですが、上方向に何もありません。
どっかに飛んでいかへんのかな?
と素朴に思っています。
いや、飛んで行っても帰ってくるんとちゃうかな。
などと謎は深まるばかりです。(京都では白鳥が飛んでるって聞かへんしなぁ)
展望エレベーター
最後に「WEST18」という10階建てのビルですが、一階にはスターバックスが入っており、六角堂側からだけでなく、烏丸通り側からも入れます。3基のエレベーターがあり、一番北側が展望エレベーターになっているので、六角堂を上から見ることができます。ただし、展望台はないのでエレベーター内からのみの展望です。
上から見るって、なかなかおもしろいですよ。一番北のエレベーターが1回に来るまで待って、9階まで乗ってみてください。
京都市営地下鉄の沿線なので、時間があれば寄ってみてください。良縁を引き寄せられますよ。
追記 夜の六角堂 ライトアップ
平成30年4月13日(金)~15日(日)に行われた
【夜の特別拝観 ROKKAKUDO ILLUMINATION】
に行ってきました。夜はまた雰囲気が全然違いますね。
アクセス
- 京都市営地下鉄「烏丸御池」下車、徒歩約7分。