番外編 九州 熊本県 その4 高森殿の杉・草部吉見神社

高森殿の杉

熊本県の第4弾です。まだまだ「阿蘇郡高森町」が続きます。

「高森町」では「上色見熊野座神社」が有名ですが、他にもあるんですよ。それが「高森殿(たかもりどん)の杉」です。樹齢が400年以上と言われる杉の老木なんですけど、自然な山の中に自生している木なんですよ。京都でも御所には樹齢400年と言われる楠はあるのですけど、さすがに杉の木はありませんね。

せっかくですから、会いに行ってパワーをもらってきましょうか。

「上色見熊野座神社」からは、また、南方向に国道265号線を走ります。どん突きを左折して少し走ると次の信号が「高森町村山」の交差点です。この交差点を過ぎてすぐ10mほどのところにあるわき道から入って「高森殿の杉」を目指します。交差点を超えるとほんとにすぐなので、気を付けてください。左矢印と看板が出ています。

わき道に入って100mほどは、びっくりするくらい細い道ですが、集落を抜けると少し広くなります。

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山の斜面を登っていくと、道の両側は牛の放牧地。

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これが「赤牛」という品種なのでしょうか。

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ほどなく「第1駐車場」に到着です。「第1駐車場」が入口に近いのですが、車数台しか止められません。もう少し奥に第2駐車場もあるようです。

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「第1駐車場」の反対側に入口のゲートがあります。つまり放牧地の中を歩くことになります。

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しばらくはコンクリートの道です。牛のふんが落ちてますので要注意。

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振り返って見た「高森町」や「南阿蘇村」です。

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北の方に見える「清栄山」です。「第1駐車場」からどんどん上がっていくと「黒岩峠」というのがあるんですけど、そこが登山口となっています。「黒岩峠」も雲海が見える絶景スポットだそうです。今回は雲は出てないので当然パス。

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コンクリートの道から地道になり、少し歩くと左手に案内の標識が見えます。こちらに進みます。この森の中に「高森殿の杉」があります。

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森の外から遷した画像ですが、たぶん一番高い杉が「高森殿の杉」だと思われます。

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入口から鉄の柵が見えます。

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ゆっくりと下りて行きましょう。この辺も、気を付けないと牛のふんが落ちてます。要注意。

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やってきました「高森殿の杉」です。どうですか、この枝ぶり。力強いですね。

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手前の木です。京都の北山杉とはえらい違いです。九州もんはたくましいですね。

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奥の木です。こちらはだいぶんと上の方で枝が伸びています。

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2本の木ですね。夫婦杉ともいわれています。

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この木に触れるとパワーをいただけるということで、私もタッチ。

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真ん中に真っすぐと伸びた幹が印象的です。

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根元には古そうな石碑がありましたが、字はほとんど読めません。

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樹齢が400年以上と言われています。わずかに谷になっているところに生えているので、長生きで来ているのでしょうね。

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人が入って根を気づ付けると木に勢いがなくなるので柵が設けられています。

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感動しますよ、この枝の伸び方。

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上の方は密集していますね。この木の400年以上の歴史の中で、この木に人が会いに来るというのはつい最近のことなのでしょう。昔はわざわざ人が来ないところだったと思われます。長生きしてほしいですね。

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さて、駐車場に戻って、今度はまた神社を目指します。そんなに遠くありません。

草部吉見神社

ちょっと有名な「草部吉見神社」に行きましょう。「高森殿の杉」から国道212号線、325号線と進みます。30分もかかりません。ナビの案内通りに行くと駐車場に到着です。

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神社の前にあるイチョウの木からは大量の銀杏(ぎんなん)が歩道に落ちています。旅行じゃなかったら拾って持って帰るんですけど。できるだけ踏まないように歩きます。靴が臭くなって、車の中が大変です。

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「草部吉見神社」の前に来ました。壱の鳥居です。

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鳥居にある「吉見神社」の神額です。

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鳥居の横にある「草部吉見神社」と刻まれた石柱です。

「草部吉見神社」は何が有名なのかというと、「一之宮貫前神社(群馬県富岡市」)や「鵜戸神宮(宮崎県日南市)」とともに「三大下り宮 」といって、石段を下った先に社殿などが存在する、あまり例を見ない神社なのです。

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鳥居を超えると、ほれ、この通り。下りの石段の先に、拝殿や本殿が見えています。ささ、下りて行きましょう。

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行はよいよい、帰りは...

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半分来ました。

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一番下に下りると、すぐ真正面が拝殿です。

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右手に手水舎があります。

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拝殿に掛かる「草部吉見神社」の神額です。

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拝殿の中にはいろいろと奉納されたものが飾られてます。

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「神武天皇」の第一皇子である「日子八井命(国龍神)」を主祭神としています。この絵馬にもあるように、「日子八井命」は、神武天皇東征の時、「高千穂」より「五ヶ瀬川」に沿ってこの地に来て、池の大蛇を退治し、池を埋めて宮居を定められたのだそうです。館は草を束ねて壁とされた事から、この地方を「草部(くさかべ)」と呼ぶようになったそうです。そして「日子八井命」が「此社吉宮床(ここぞよきみやとこ)」と言われた事にから、「吉見」という社号を称するようになったと伝わっています。

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「大蛇」というか「龍」ですね。

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こちらは「虎」ですね。

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地域に根差した神社ですね。お詣りしましょう。

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ここの御神木も大きな杉です。

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「草部吉見神社」のご由緒書きです。

草部吉見神社
御祭神
一の宮 日子八井命 神武天皇第一皇子にして、草部吉見神または國龍命とも別称す。阿蘇神社に三の宮として合祠
二の宮 比咩御子命 日子八井命の妃
三の宮 天彦命 日子八井命の第一皇子・三郎神社の祭神
四の宮 天比咩命 天彦命の妃・三郎神社の祭神
五の宮 阿蘇都彦命 日子八井命の甥・阿蘇大神健磐龍命
六の宮 阿蘇都比咩命 日子八井命の女にして、阿蘇大神の妃
七の宮 新彦命 日子八井命の第二皇子
八の宮 彌比咩命 新彦命の妃
九の宮 速瓶玉命 日子八井命の外孫・阿蘇大神の嫡子
十の宮 若彦命 新彦命の甥・天彦命の御子
十一の宮 新比咩命 新彦命の女
十二の宮 彦御子命 日子八井命の外曾孫・速瓶玉命の男

当社は 熊本県阿蘇郡高森町宮原に鎮座し、旧社格は郷社。
主祭神は日子八井命で、ほか健磐龍命、阿蘇都比咩命など十二神を併せまつ る。
日子八井命は、神武天皇の六十九年、東征の時、日向高千穂より草部に入ら れ、しばらく川走の窟(イワヤ)に住まわれたのち、今の草部吉見神社の所に あつた池を干し宮居を定められた、このとき襲つてきた大蛇を斬られ焼かれた、 大蛇が血を流しながら逃げて行つた所を血引原(現地引原)、焼かれた所を灰原と言い、今もこの地名が残つている。
創建は阿蘇神社に先立つこと六年と言われる。
宮居を定められたその翌年、健磐龍命(神八井命の御子・阿蘇大神とも言う) が下向して来られると迎え、請われて姫を健磐龍命の妃になされた。この姫が阿蘇都比咩であり、日子八井命は健磐龍命と力を併せ、内には九州鎮護、外には東征という朝廷の国土統一事業の一翼を担われた。
天正年間に戦国大名化した豊後の大友氏が肥後に侵攻し、社領は略奪され権 大宮司家は一時祠官家を離れて村民の中に身を潜めた、寛政五年(1793) に祠官家が復興され、文化七年(1810)には祝部(ハフリ)家が再興された。
社殿は、弘治二年(1556)に甲斐左近将監親成によって造営され、のち傷みが激しくなつたので明暦二年(1656)に里人らによって現在の社殿に補修された旨、明和九年(1772)の棟札に記録が残る、以後明治二十五年までに十八回修理されたと伝えられる、構造、彫刻など技巧を凝らした造りとなっている。
社地は侵食の進んだ南外輪山の舌状台地の中央に位置し、社殿が鳥居より下 にあるいわゆる下り宮と呼ばれる珍しい配置で、鵜戸神社(宮崎県日南市) 貫前神社(群馬県富岡市)とともに日本三大下り宮の一つに数えられている。
社殿下に吉ノ池(八功徳水とも言う)と呼ばれる湧水池があり、境内地には年経た杉が繁茂し、参拝する者を厳粛な気分にさせる雰囲気が漂っている。
社殿の東方300mばかりのところに、石の玉垣で囲まれた日子八井命の御神陵(ミササキ)がある(陵墓参考地)。
摂社として、草部吉見神社から1.5Kmばかり西の菅道(スゲノサコ)に 日子八井命の御子天彦命と天彦命の妃比咩命をまつる三郎神社がある。
例大祭は、七月三十一日と十月十七日の夏、秋2回で、七月三十一日には地 引原の御仮屋まで御輿の御幸があるほか、社殿前の神楽殿で岩戸系の神楽三十 三座が奉納される。十月十七日には社殿横の広場で大神御手相撲が奉納される。

平成十年十月吉日建立

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拝殿の後方に控える本殿です。

拝殿右手に鳥居があります。

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「塩井社」とありますね。下の方に参詣道が続いています。「南阿蘇村」にある水源地として有名な「塩井社」と関係があるのでしょうか。

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鳥居の元には「不老長寿の水」戸の標識が立っています。

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赤で神額の字が書かれているというのは珍しいですね。せっかくですからお詣りしましょう。

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参詣道を下りて行きます。

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下に下りると、真ん中に池があります。「古ノ池」というそうです。

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湧水池です。それほど水深がありません。沼のようです。

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これが不老長寿の水でしょうか。「八功徳水」というそうです。

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池の横には龍?がいるのですが、はて、神社はどこでしょうか。「日子八井命」に退治された大蛇を表しているのでしょうね。

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おっと、びっくり。池の中に大きな魚がいます。鯉ではなさそうですが、なんなんでしょうか?フナ?

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池の右手の方に何やら小屋がありしめ縄が張り巡らされています。

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中をのぞくと、おお、こんこんと水がわいています。これはすごい。

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真ん中の穴から、ゆらゆらと水がわいています。もしかする、これがご神体なんでしょうか。

もともとは、この湧水池に住んでいた大蛇を「日子八井命」が退治したことから、湧水自体をご神体として信仰が始まったのではないでしょうか。なので、神社というよりも池がご神体ですから、当然「下り宮」として祀られたとしてもおかしくはないはずです。その後、地域の人々の信仰も厚く、神社が創建されて「草部吉見神社」となったのではないでしょうか。

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さて、下ってきたので、帰りは登らねばなりません。う~。

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半分登りました。

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もう少しです。

やはり、九州の神社は自然が信仰のもとになっている感じですね。阿蘇の雄大な自然がそうさせたのでしょう。なんとも壮大で素晴らしいです。

さて、九州旅行2日目の最期は、「自然」ではなく「人工」を見に行くことにしましょう。また、阿蘇五岳よりも北側まで車で走ります。

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アクセス

  • 「高森殿の杉」・・・南阿蘇鉄道「高森駅」より車で10分ほど

  • 「草部吉見神社」・・・南阿蘇鉄道「高森駅」より車で25分ほど

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