金鱗湖
九州旅行最終日、お世話になった「小鳥のたより」さんを出発して、湯布院を散策します。
お宿の駐車場から見える、温泉の湯けむり。もうもうと湧いてますね。
車で坂を下り、県道216号線に出る手前に安い駐車場を発見しました。\400-です。昨日、ここに来るまで、目を凝らしてあちこち見てましたが、安くて\500-だったので、迷わず入りました。アスファルトの広くてきれいな駐車場で、たくさん停められます。駐車場の管理人さんはいらっしゃらないようで、出入り口に一般家庭にあるようなステンレスの郵便受けに\400-入れてくださいと書かれています。のどかだなー。人件費かからないし良いんでしょうね。ちなみに、平日（土日祝以外）は￥300-となってます。県道から外れているので、少し安くしないと停める人があまりいないのでしょうか。私は「湯布院」中をめぐるのでどこに停めてもそんなに変わりません。
さて、メインストリートのお店が開店する前なので、まずは「金鱗湖」に行きましょう。
「金鱗湖」は「由布院駅」から一番遠い観光地ですね。朝早いのですが、土曜日の観光地ということもあり、歩いている人が結構います。
お店の横の狭い通路から「金鱗湖」にでました。「金鱗湖」という名前は、明治17年（1884年）に儒学者の「毛利空桑」が、魚の鱗が夕日に照らされて金色に輝くのを見て「金鱗湖」と名付けたと伝えられています。そのままですね。もともとは「岳本（たけもと）の池」または「岳ん下ん池」と呼ばれていたそうです。
ここは、五つの川が流れ込んでいるのですが、湧水池でもあり、温泉も湧いているのだそうです。なんでも来いなのですが、水は何ともきれいで澄んでます。
コイとフナが泳いでます。
これが「金鱗湖」の名のもとになった魚の子孫でしょうか。とってもきれいです。
そよそよと風があります。慶長3年（1596年）の「豊後大地震」で、「金鱗湖」は小さくなってしまったのだそうです。以前は数倍の広さがあったとか。
ちょっと離れて見ると、景色が良く映り込んでいるのが分かると思います。
お、なんじゃこりゃ。ティラピアかな？ 外来魚感満載の魚。グッピーとかもいるそうですよ。さすが温泉。
湖周をめぐります。
なかなかの撮影スポットになりそうなところですね。
でも、ここはまだ青もみじです。
真ん中の三角屋根が「マルク・シャガールゆふいん金鱗湖美術館」です。後ほど訪れます。
青空が写り込むときれいですね。
紅葉の盛りには湖面に真っ赤なもみじが映えることと思われます。
鳥居のシラサギが止ってます。この鳥居は湯布院町内の「佛山寺（ぶっさんじ）」に建立されていた金毘羅宮のもので、明治政府の「神仏分離令」によって「金鱗湖」に移設されたものだそうです。
「金鱗湖」の南の方は紅葉が始まっています。
今年初めての本格的な紅葉を目にしました。
やっぱりこれですね。日本の秋は。
神社があるのでお参りしましょう。
神社の方はまだ青もみじです。
いきなり拝殿前に出ました。
こちらが正面の鳥居です。湖面にあったのは裏側の鳥居ですね。
「天祖神社」と神額にあります。
湯布院はもともと大きな湖であったのですが、由布岳の女神である「宇奈岐日女（うなぎひめ）」が、「蹴裂権現（けさきごんげん：道臣命 みちのおみのみこと）」に命じて、湖の西の壁を蹴破らせて湖水を奔流させて現在の盆地が現れたそうです。
ところが、困ったのは昔からこの湖に住んでいた龍。湖水が急激に減少したため龍は神通力を失ってしまい、「天祖神」に「少しばかりの安住の地を与えてくだされば、ここに清水を湧き出させ、永くこの地を護りましょう。」と懇願しました。「天祖神」は、龍の願いを聞き入れて「金鱗湖」が残されたということです。
「天祖神社」の裏側から見る「金鱗湖」です。紅葉の時期に来てみたいですね。
雲が速いスピードで流れています。
今も龍がこんこんと水を湧かせているんでしょう。とてもきれいな水面です。
刻一刻と表情が変わります。見ていて飽きません。時間の経つのも忘れて見入ってしまいましたよ。
さて、そろそろ湯布院のメインストリートのお店が開店する時間です。散策に行きましょうか。
赤、黄、緑とすべてそろってます。良い天気になってよかったです。
10月から紅葉が見られるとは思いませんでした。寒暖差が激しいんでしょうね。
この木が一番赤いかな。
湯布院でゆったり温泉にもつかれたし、一足早い紅葉も見られたし、文句なしです。
お茶屋さんのもみじはまだ青いですね。
湯布院散策
さて、今度は湯布院観光のメインストリートは「湯の坪街道」と言われる、JR「由布院駅」から続く道です。
ちょうど駅から一番遠いところにいるので、駅に向かって歩いていきましょう。お土産屋さんなどは、観光メインのHPにたくさん載っているので、割愛します。（つーか、他の観光客がいっぱい写っているので画像処理が面倒なだけです。すんません。）
そんな中でも、これは外せません。「湯布院ミルヒ」さんです。
ドーナツやプディングが有名ですが、もう少し後で早めのランチをいただく予定なで、ちょっと軽めに行きましょう。
やっぱ、これですよ。もうね、ミルッヒ（Milch：牛乳）が全然違います。ソフトクリームですが、あまりソフトではなくて濃厚こってりです。
「湯の坪街道」からJR[由布院駅」の方に少し行ったところに鳥居があるのですが、この周りに神社はありません。
神額を見てびっくり。「宇奈岐日女神社」とあります。今朝訪れた「宇奈岐日女神社」の一の鳥居です。なんとまあ、遠いところにあるもんだ。鳥居をくぐった「参宮通り」をずーっと言ったところです。
JR「由布院駅」です。近代的になりましたね。
真っ赤な普通列車。一瞬遠目には特急かなと思いましたよ。ハデハデです。特急「ゆふいんの森」は停まってませんでした。
で、由布院駅を出た時に、真ん前に見える「由布岳」です。この景色は最高ですね。この景色のために「湯布院駅」をここにしたのではないかと思ってしまいます。
「湯布院」の街を散策できる「辻馬車」です。
太く力強そうな脚です。後ろの車両が重そうですが、大丈夫なんでしょうか。
さて、もういちど「金鱗湖」の方に戻ります。「湯の坪街道」ではなく、南側にある散策路を歩きましょう。
「由布岳」を見ながらのどかな田園風景の中を歩きます。
ホントの湯布院ってこんな感じなんでしょうね。
橋が見えてきました。
「由布見橋」です。橋の上から「由布岳」がきれいに見えます。
ほれ、この通り。やっぱり登ってみたいですね。
やっと雲が晴れました。東岳、西岳ともにきれいに見えてきました。
どんどん歩いていると、また橋が見えますよ。
「蛍観橋」と名付けられています。確かにホタルが出そうな雰囲気ですね。
ここらも少し紅葉してますよ。
ほんでもって、「金鱗湖」に戻ってきたのは、ここに用事があったからです。「マルク・シャガールゆふいん金鱗湖美術館」です。
実は、美術館の方ではなくて、カフェの方です。（美術館は二階です。）
これ。 むっちゃ興味があります。
ここ。このテラスでゆっくりとしてみたかったんです。
「チーズと自家製パンのプレート」自家製のパンもおいしいのですが、チーズがまた絶品。生ハムとのハーモニーもとてもおいしいです。
「湯布院産 原木椎茸＆自家製ベーコンのサンドイッチ」自家製ベーコンなので、少し脂が垂れてきますが、それほどジューシーなベーコンです。
テラスで「金鱗湖」を見ながらゆっくりと過ごします。
ああ、至福の時。
お、さっきのシラサギがやってきました。
先ほど散策した「天祖神社」です。
やや、光がさしてきました。
輝いています。これを見ながら食べるパンのおいしいこと。
本州の方は昨日まで台風の影響で大変なことになっていたようですが、おかげさまで私は大した雨にも会わずに旅行ができています。
ほんでもって、最後の日にはぽかぽかと暖かい中、こんなきれいな紅葉を見ながらテラスで食事ができたという幸せ者です。
湯布院から見た「由布岳」の雄姿。いつか、この山に登ってみましょう。
さて、湯布院を十分堪能しましたので、レンタカーで大分駅まで行くのですが、ただまっすぐ帰っても仕方がないので、「別府」によって、「地獄めぐり」をしましょうか。
血の池地獄
「湯布院」から「別府」までは県道11号線経由で由布岳の横を通って向かいます。
せっかくですから「狭霧台」の駐車場でもう一度停まってみました。
雲のない「由布岳」です。登ってみたいという気持ちが、どんどんと膨らみます。
「湯布院」の街です。早朝とは全然違いますね。
のんびりと楽しめた「湯布院」もこれで見納めです。県道11号線で山間部を通って「別府市」に向かいます。
途中の道は比較的交通の流れもスムーズで、1時間ほどで、別府市内に入りました。
さて、別府は「地獄めぐり」で有名ですが、すべてをめぐっている時間はありません。どこにしようかなと地図を見て、一番強烈そうな名前で決めました。
血の池地獄
なんか、「蜘蛛の糸」とかの地獄の描写を思い出しますね。ここにしましょう。ここは駐車場も無料ですし．．．
やってきました「血の池地獄」。やっぱ、こういうのは「明朝体」が雰囲気を表しますね。
入場料を払って、中に入ります。「血の池地獄」とは、奈良時代に編纂された「豊後国風土記」に「赤湯泉」の名で記された、1300年以上前から存在する日本最古の「天然地獄」です。
うお～っ！ これは、えぐい。なんか、もあ～っ池の中が光っているような感じに見えますよ。
もうもうと湯気が上がっています。
これが「名勝」なんですよね。ま、他にはこんなところはないでしょうけど．．．
「お湯」というような生ぬるいものではなくて、ほぼ「熱湯」だそうです。
温泉卵、期待してたんですけど、なさそうですね。
ここが「血の池地獄」の爆発ヶ所だそうです。
一番奥は少し高台になっているので、上がってみます。
こうしてみると、けっこうな広さですね。
「悪いことしたら、ここにたたきこまれるぞ～」って、子供たちは脅されるんでしょうね。
やだやだ。写真なんかでは、もっと鮮明な赤に染めた画像が多いですが、それよりも実物の方が不気味です。おどろおどろしい雰囲気たっぷりですよ。夜になったらなんか出てきそうで、おっかないです。
「血の池プリン」なるものがあるそうですが、限定生産なので当然売り切れ。残念。お土産物屋さんをあさります。
で、良い時間になったので、大分駅を目指して車を走らせます。
大分駅
「別府」から海沿いの国道10号線を走って「大分駅」に向かいます。海沿いを走るのっていいですね。あんまりスピードを出そうという気になりません。
40分も走ったでしょうか、大分駅の近くまで来ました。レンタカーなので、ガソリンを満タンにして車を返却します。
で、荷物をもってやってきました「大分駅」。
前回は「裏口」でしたが、今回は表玄関です。立派な駅じゃないですか。
駅の入り口には、ニワトリさんと金の卵。そういえば唐揚げ食べなくては。
複合商業施設なので、中は賑やかです。蒸気機関車のアトラクションをやってました。
大分駅の近辺を散策して、お土産買って、色々食べまくって、おなかいっぱいです。それでも駅弁まで買ってしまいました。
新幹線ホームまで来ましたよ。
帰りは「さくら」で帰ります。
帰りの新幹線はガラガラ。自由席でお良かったですね。
しばらく乗ってると、やっぱりお腹が減ってきたので、駅弁登場です。
せっかくの大分なので「せせり」も買ってきましたよ。
人気の駅弁「味めぐり」をいただきます。ほくほくです。
つーことで、2泊3日の九州旅行は幕を閉じるのですが、いかがでしたか。去年、山口県を訪れた時に、関門トンネルを渡って、一瞬だけ九州の人になりましたが、旅行として本格的に九州を回ったのは20数年ぶりでした。やっぱり、JRで行くのは楽ですね。運転しなくていいから。
九州では、巡りたい神社はすべてめぐることができましたので、大目標は達成です。今度九州をめぐるときには、もっと南の方をめぐりたいですね。
↓番外編 九州 大分県 その２ 狭霧台・宇奈岐日女神社（ひとつ前の記事です。）
アクセス
- 「金鱗湖」・・・JR久大本線「由布院駅」より徒歩で20ほど
- 「血の池地獄」・・・大分自動車道「別府IC」より車で10分ほど